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東方守勢録
第九話
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い現象だった。


「あのゆれかた……まるで映像……まさか!!」


俊司は危険を承知で窓から兵士たちの方を確認する。


パシュン


「いって」

「だっ大丈夫ですか!?」

「大丈夫かすり傷だから。しかし……そう言うことだったのか……」

「……なにがですか?」


俊司は一度大きく息を吐くと、口を開いた。





「俺たちは……いや、俺は……騙されてたんだ」





「騙されいた……俊司さんがですか?」

「ああ……あいつらはみんなの知識不足よりも、俺が持ってる知識を悪用してきたんだ……とりあえず、みんなそこに集まってくれるか?」


俊司は柱と壁で守られている場所に全員を集めると、話を続けた。


「で?何を騙されんですか?」

「じゃあ、まずあの飛んでるやつから。あれは外の兵器の一つで偵察ヘリの分類になる乗り物なんだ。」

「乗り物?あんなもの使わなくても飛べるじゃない」

「外来人は飛ぶなんてことできないよ。そのかわりに乗り物を使って補ってるみたいなもんさ」

「あっそ……ところで、私のグングニルが当たらなかった原因は?」

「はい。原因はあれが本物じゃないという点にあります」

「本物じゃない?」


不思議そうな顔をするレミリア達。俊司は軽く言葉を整理しなおすと、わかりやすいように心がけながら説明を続けた。


「結論から言うと、あれは映像です」

「映像?」

「実際にないものを映し出すんですよ。簡単に言ったら中身が動く写真ってことです」

「でも……どうやってそれを?」

「あの男……微かに右手が光ってた……。おそらくあいつの能力だと思う」

「じゃあなんで騙されたってことになるんだ?」

「俺はあれを見た瞬間に本物と勘違いをしてたんだ。実際は下の方で数人の兵士がミニガンを準備していただけ。あいつらは最初から俺たちをこの屋敷に逃げさせるために使ったんだ。咲夜さん、ここ裏口はありますか?」

「あるわ。左右合わせて2つだけど……」


と咲夜が言った瞬間


バキッ!!


といった木がわれる音が左右の遠くから聞こえてきた。


「くっ……」


音を聞き取った瞬間、俊司は頭を抱えてしまった。

何が起こったのかはそこにいた全員がわかっていた。そして、一人が確信の一言を呟く。




「袋のねずみね……」




最悪の事態だった。

裏口は抑えられ逃げ道はなくなった。このままでは正面のドアも破られて、包囲されてしまう。


「ごめん……俺のせいだ……」


俊司は頭を抱えながらそう言った。


「……まあしかたない
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