つぐない
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「簡単に死なないって約束したよね」
夕暮れ時の混沌としたアルゲードでのナギサの第一声はそれだった
多少の怒気を含むその声は、ガヤガヤした周りの空気に紛れることなく俺に届く
「無意味な死に方は、つったろ」
何で助けた。言外にそう言う俺を正面から見つめ、ナギサは言う
「君、死が償いだと思ってるんでしょ」
「お前のことだから、それは間違ってるって言いたいんだろ」
俺は皮肉気味に言う
「当たり前だよ」
予想していた答え
だがその言葉には驚くほど真っ直ぐな想いが込められていた
「確かに死んじゃった人には簡単には償えない。けど君は生きてる。生きてるなら、少しずつでも償う方法はあるはずだよ」
とっくにクリアした問題だった。
償う方法があったとしても、のうのうと生き延びることなど許されるはずがないと切り捨てた選択使
「だから君は生きないとだめ。生きて生きて、死ぬのはそれからでも遅くはないよ」
彼女の眼差しは、他人事だ、とはみじんも思っていないように真摯で、
「それもそうか」
気づくと俺はそう呟いていた
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