暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第51話 油断大敵……分かっていたのに
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言えば、線が太く力強い印象を受ける。先程の言葉を信じるなら王族関係者となるが、それよりも軍関係の名門貴族と言った方がしっくりくる。

 と言っても、爆風を避けるために手で顔を覆っているので、追手達は髪色くらいしか確認出来ないだろう。

「おっと……」

 男はあわててフードをかぶり直す。

「ここで見た事は、口外せぬ方が良いぞ。アルビオン王家を敵に回したくなければな」

 男がそう傭兵達に釘を刺してから口笛を吹くと、直ぐに風竜が飛んで来て男の近くに降りる。

「目的は果たした。帰るぞ」

 一瞬、わたし達に向けられた言葉であると理解出来なかった。そう言えば、この男の名前さえ知らなかったのだ。顔を見たのでさえ……。

「小言は後で聞く。長居してこれ以上余の事を知られれば……」

 そこでハッとする。まだわたし達は敵の真っ只中に居るのだ。危機を脱した訳ではない。わたしは再びフードがめくれるない様に注意しながら、テファの手を引いて風竜に乗り込む。

「出るぞ」

 男がそう口にすると、風竜は空へと飛び上がった。

−−−− SIDE マチルダ END −−−−



 何とかティファニアとマチルダさんを確保しました。……しかし、シャジャルは間に合いませんでした。襲撃者がシャジャルを仕留めたと言っているのを、ティアを通して聞いた時には、全て投げ出してしまいたくなりました。

 何がいけなかったのでしょうか? 思わずそんな自問自答をしてしまいます。

 そして、最大の……いえ唯一の原因は分っています。初動の遅れ……つまり、私の原作知識の過信です。それがシャジャルを殺しました。

 それを取り戻す事は出来なかったのでしょうか? そんな事を未練がましく考えてしまいます。

 しかし答えは否。ドリュアス家本邸で、モード大公邸襲撃を聞いた時点で間に合わなかったのです。

 ガリア関係の処置を後回しにしても、逃走方向確認の待ち時間で相殺されていたでしょう。その後も商会の者達に手早く指示し、ティアに風竜に化けさせ現地へと急行しました。闇雲に探しても時間を食うだけなので、ティアに精霊魔法で探してもらいました。

 如何考えても、これ以上の短縮余地はありません。

 そんな事を考えている内に、合流地点に到着しティアが地上へと降りました。そこには既にマギ商会の馬車が来ています。

「さあ、気お付けて降りてください」

「あ ああ」

 私が最初にティアから降り、マチルダさん、ティファニアの順に降ろします。

「お疲れ様です。いつもの様にお願いします」

 ティア(風竜ver)を撫でながら話しかけると、黙って飛び立ちました。今回は移動や探索……そして追手の足止め(スキルニルの使う等の時
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