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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第51話 油断大敵……分かっていたのに
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いて説明しておこうと思います」
2人から返答が無かったので、私は構わず続けました。
「今回の襲撃作戦を画策したのは、貴族派と神官達です。そして現状問題となるのは、ティファニアの血を渡してしまった事ですね。シャジャル殿が如何なったかは分かりませんが、彼女が捕えられていれば彼女もです。(シャジャルの死体は確保済みでしょう)これらはモード大公が、エルフに関係していたという証拠になります。アルビオン王家にとって、これ以上の弱みは無いでしょう」
マチルダさんが唖然としていますが、このまま一気に説明してしまいます。
「この弱みにより、アルビオン王家は襲撃者を罰する事が出来ません。その所為でモード大公家襲撃は、王家の主導で行われたと誤認させられます。そうすると“大した理由なしに人望ある大公家を取り潰した王家”と言う事実しか残りません。王家は信望を失い、急速に力を削がれて行くでしょう」
これは
所謂
(
いわゆる
)
、原作の流れと言う奴です。今回の一件は貴族派にとって王家排斥の布石となり、やがてレコンキスタの決起へと繋がるでしょう。
……ちなみに今言った事は、証拠はありませんが真実に限りなく近いと確信しています。そしてそれは、原作も同様でしょう。もし王家が襲撃に関わっていたのなら、この様なバカな手は絶対に打ちません。シャジャルを暗殺すればすむ事ですし、モード大公との禍根を懸念したなら彼を暗殺してしまえば良いのです。そしてシャジャルをその犯人を仕立て上げれば、一切の禍根を残さずに済みます。
「これからは国内での小競り合いが増えます。その辺も加味して判断して下さい」
「あ ああ」
マチルダさんはそう呻ると、頭を抱えてしまいました。
次の日になったので、私は急いで領へと帰還します。
マチルダ(さん付けは止めろと言われた)とテファ(同じくそう呼んでくれと言われた)は、結論が出せずサウスゴータの宿屋に残る事になりました。そしてマチルダは、フェイスチェンジの
聖具
(
マジックアイテム
)
を付けて、ブノワ他数名と一緒に私の見送りに来てくれています。
「では、私は領へと帰ります。マチルダ。念の為にもう一度言っておきますが、次にトリステインのラ・ロシェール行きの船が出るのは半月後の『スヴェル』の月夜の翌日です。それまでに身の振り方を決めておいてください。どの様な決断をしても、マギ商会……ドリュアス家は可能な限りサポートする事を約束します」
「分かったよ」
沈んだ声で答えるマチルダ。それも仕方が無いでしょう。彼女の両親は、投獄されてしまったのです。神官も出しゃばって来ているので、生還は絶望的と言って良いでしょう。それでも彼女は、まだマシな状態と言えます。テファはシャジャルの死を知って、宿で寝込んで
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