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IS インフィニット・ストラトス〜転生者の想いは復讐とともに…………〜
number-36 serious condition
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底火山が噴火することもあるかもしれない。
一瞬たりとも気を抜くことはできなかった。
「よく来てくれた。来なかったらこれを学園に向けて撃つところだったよ」
と、おもちゃで遊んでいるような感じに軽く出されたものはクラスター爆弾だった。
クラスター爆弾は大きな弾頭の中に何百発の小さな弾頭が詰め込まれ、空中で破裂して、地上に広範囲にわたって爆撃を行うためのものだ。
これは世界平和のために2008年にクラスター爆弾禁止条約調印されている。
まあ、ISがある今の時代は消極的平和にしかならないが。形だけの物。
あれが学園に向けて放たれたら、多くの無関係な人々が爆発に巻き込まれ死亡。
死ななくとも、五体満足にいられなくなってしまうかもしれない。
ラウラは安堵する。
少なくとも無関係な者が巻き込まれることは無くなったとみていいだろう。
麗矢はおもちゃを扱うようにクラスター爆弾を地面に転がして、三人と向き合った。
いつもの麗矢。
そんな麗矢が口を開く。
「まずは、そこの岩陰に隠れている奴出てこい。大方デュノアだろうが」
楯無たちは麗矢が見た岩をつられて見る。
麗矢に会うこと崖を考えて追手のことを全く考えていなかった。
視野が狭くなっていたことに、これじゃあ、国家代表失格だな。と、心の中で反省する楯無。
ジャリっと小石を踏む音が聞こえる。
岩陰から一つの人影が出てきた。
薄めの金髪を後ろでまとめて、男とも女とも見て取れる中性的な顔立ちをしている女性。間違いなくシャルロット・デュノアである。過去に男としてIS学園に転入してきている。今では会社とは切れているが。
シャルロットは見つかったことに若干驚いたものの、それを顔に出すことなくISを展開した。
それと同時にアサルトライフルを麗矢に向けて、安全装置も外す。
「どうした? 俺を殺しに来たか」
「そうだよ……やっぱり堪えることなんてできるわけなかった。目の前で親の仇がのうのうと暮らしているのを見るなんて耐えられるわけないじゃないかっ!! だから、殺しに来た。」
シャルロットが憎しみのこもった眼で麗矢を睨む。
初めて聞く事実にセシリアは驚きを隠せない。
ラウラはある意味納得していた。ようやく人を殺すのを躊躇わない理由が分かったから。
楯無はその事件のことをある程度は知っていた。だが、実行犯が麗矢だったことは知らなかった。
裏側の人間上こういうことには耐性がある。
それどころか愛しい人も裏側だったことに喜びを感じている自分もいることもまた事実。不謹慎だとその感情を押し込めたが。
シャルロットは引き金に指をかけた。
あとは引くだけで憎いあいつを殺せる。
だが、現実はそう甘くはない。
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