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速さと力の勝負
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外からそう叫んでいるがゲツガは黒い煙の中で考える。あのガキを倒す方法を。あいつの攻撃は自分にとっては見切れないぐらい速いわけではないが攻撃に移れていない。しかも、奇襲をかけようにも確実に避けられる。考えていたとき、大きな風により黒煙が吹き飛んでゲツガの姿を曝け出させた。その風の出所を調べるとユージーンが両手剣を振って起こしたものと知る。

「やあ、ゲツガさん。ようやく出てきた、というよりも姿を現したね。どう、少しは僕を倒す方法を思いついた?」

「全然」

 そう言ってゲツガは弓を畳み背中に戻した。

「そう。じゃあつまんないから死んでくれる?ゲツガさん」

そう言ってバルダはゲツガに向けて突っ込んで来る。そして首に向けて短剣を横薙ぎに斬りつけてくる。ゲツガはただ動かずにその攻撃を食らうかに思えた。しかし、ゲツガはそんな気はさらさらない。短剣を持つ腕を掴み攻撃を止めた。

「なっ!?」

「全然思いつかないから本気で行くことにするわ」

「寝言は寝て言ってくれるかな、ゲツガさん?攻撃を避けるのに精一杯だったくせに何言ってるんですか?」

 そう言ってバルダは掴まれていた腕に握られた短剣を落としてもう一方の手に持ち替えて斬りつけてくる。それももう一つの手で止める。

「どうしたんだ?さっきまでの威勢は?」

「そういうゲツガさんはどうなってんの?弓を背中に戻しただけでここまで変わるんですか?」

「もともと俺は近接格闘や剣の方が得意なんだよ。だいだい弓は近距離で戦うのは不向きだろ」

 そう言ってからゲツガはバルダを蹴り飛ばそうと足を上げたとき、バルダは身体を回転させて腕を外そうとしたが、ゲツガはそれぐらいで外れるほどやわな筋力値をしていない。蹴りを入れて吹き飛ばす。

「ちっ、とっさに同じ方向に飛んで衝撃を和らげたか……だけど、俺の蹴りの衝撃はそんなんじゃ受け流せないくらいハンパないぜ」

 空中で受身を取ってから辛そうな表情でこちらを見てくる。

「げほっ、げほっ……ゲツガさん……アンタ、どんな馬鹿力してんの……一撃で四分の三減ったよ……」

「人をおちょくってるからだ、ボケ。それと、テメェのその軽装が悪いんだろ」

 そう言ってる間に回復形の魔法を唱えて回復していていたのでムカついた。

「テメェ!人が話してるときに何回復してんだよ!」

「無駄口叩いてるからですよ」

「減らず口が……お前を確実にぶん殴ってやる!」

 そう言ってゲツガはスペルを唱えながらバルダに突っ込んだ。今度はバルダは警戒してか、ある程度の距離を取って飛行している。その間を詰めようとするが逃げに入ったのか、一向に近づいてこない。そしてスペルを唱え終えたゲツガは地面に降りて手を地面に置くと岩の柱が
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