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ソードアート・オンライン〜黒い蝶と赤い雀〜
猥雑な街で
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ソードアート・オンラインの正式サービス開始から2年が経ち、73層までが攻略されていた。



50層 アルゲード

この層アルゲードを表現するならば≪猥雑≫の一言に尽きる。

この街の裏道に入って迷ってしまい、しばらく出てこれなくなるというのはよくある話だった。

そんな隘路が無数にある中、俺はある店へと向かっていた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


「おいおい、S級のレアアイテムじゃねぇか。・・・・・・自分で食おうとは・・・・・・」

店の方からそんな声が聞こえた。

俺は少し駆け足でその店に向かい

「よぉ、キリト。おもしろそうなものでも見つけたか?」

この店の店主エギルと話していたキリトに声を掛けた。

「おいおい聴いてくれよハルト、こいつ≪ラグー・ラビリットの肉≫を手に入れやがったんだぜ。」

「本当か!? キリト自分で食わないのか?」

「食うにもなにも料理スキル上げてないし、そこまで上げてる奴なんてそうそう・・・・・・」

キリトがそこまで言ったとき、背後から肩を誰かがつついていた。

「キリト君」

そう声を掛けられ、キリトは振り向きざま相手の手を掴み、

「シェフ捕獲」

「な・・・・・・なによ」

手を掴んだ相手は、血盟騎士団の副団長≪閃光≫のアスナだった。

これで、キリトはおいしい料理にありつけるだろう。

実を言うと、俺も料理スキルはコンプリートしているのだが、アスナのためにも言わないでおこう。

そうこうしている内に、2人の間で話し合いが行われ、半分アスナが貰うことで決着がついたようだ。

「悪いな、そんな訳で取引は中止だ」

「なぁキリト、オレたちダチだよな? な? オレにも味見くらい・・・・・・」

「感想文を800字以内で書いてきてやるよ」

「そ、そりやぁないだろ!!」

エギルがどうしても食いたそうにしているので

「エギル、そんなに食いたいなら俺が売ろうか?今S級食材持ってるし」

「ほ、本当か!?」

「ああ、いいぜ。これなんかどうだ?」

エギルとそんな事を話している最中、向こうが何か騒がしくなっていた。

どうやら、アスナとキリトが一緒にいるのが護衛の奴のとっては不服らしい。

「すまんエギル。この話はまた今度な」

エギルは泣きそうな顔をしてたが気にせず、俺は2人のほうへ向かった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


近づいていくと護衛の奴が≪ビーター≫とキリトに言っていたので

「ああそうだ。こいつはビーターさ。お前なんかよりは全然強いけどな」

キリ
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