第二幕その六
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「さあ、こっちだ」
「来い」
彼女を立たせて引き立てていく。ジェロントはデ=グリューとレスコーには構わなかった。
「この二人はどうしますか?」
「ああ、いい」
そう警官達にも答える。
「彼等は何の関係もない、いいな」
「わかりました、では」
警官達はマノンだけ引き立てていく。ジェロントはその背中を冷酷な目で見送っていた。
デ=グリューは暫し呆然としていた。だがやにわに腰の剣に手をかけた。
「くっ!」
「止めろ」
だがそれはレスコーが止めた。
「止めないでくれ」
「今はこらえるんだ」
しかし彼は言う。
「さもないと誰がマノンを助けるんだ?」
「えっ!?」
デ=グリューはその言葉に動きを止めた。
「それは一体」
「任せろ」
レスコーは彼に言う。
「いいな」
「・・・・・・わかった。しかし」
「わかっている、全部な」
まずは彼を安心させた。だがマノンはいなくなった。デ=グリューもレスコーも今はただ虚しく部屋の中にいるだけであった。主のいなくなった部屋の中に。
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