第7話『望まない再会』
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ハントだが、残念なことに修行はまだ終わっていはいない。ただ単に今日から数日間がオフの日というだけだ。
地獄のような修行というか苦行を重ねて3年、初めての一日以上の完全なオフということもあってハントはここでぼんやりとしていたのだった。
ちなみに、オフの日になったという理由はジンベエは王下七武海という政府下にいる海賊という立場上、どうしても政府に協力しなければならないことがあり、政府によばれて数日間空けることになったからだ。
『一応、お前さんの修行になるじゃろうからついてくるか?』
『師匠がいない時、魚人島を守るのは弟子である俺の役目です! 万が一の時のために残っています!』
と、明らかな建前を力説して、今日というオフを獲得したのだった。
『まぁ、休みたい気持ちもわかる……しっかり体を休めておくんじゃぞ?』
一発で本心がばれたのはハントにとって冷や汗ものではあったが。
「……厳しいのは覚悟してたけどさぁ……アレはないよなぁ」
また遠い目をして過去を思い出す。
例えば修行初日のこと。
『魚人空手は水の制圧こそが真髄……水とともに生きてきた魚人ならではの空手じゃ。よって空気とともに生きてきた今のお前さんでは習得すら難しい』
『そ、そんな』
ショックを受ける当時のハントに、ジンベエはやさしく微笑む。
『じゃあ安心しろ。わしがしっかりと水とともに生きるということを教えてやるからのう』
『し、師匠』
感涙しそうになったハントの肩をつかみ『へ?』と首を傾げるハントとともに水の中にドボン。
『水の存在を感じ取るんじゃ、でないとお前さん……死ぬことになるぞ』
『!?』
初日はそのまま窒息して意識を失った。
「……俺、よく生きてるよな……本当に」
体を震わせて、あのときのことを思い出す。
何度、窒息して意識を失ったか。
だがおかげである程度は水そのものを感じ取ることが可能となった。もちろん魚人のように水中で呼吸をすることはできないし水中で陸地以上のコンディションを発揮することも出来ない。だが、それでも今では水中でも陸地の時とほとんど同じような速さで動ける。
「あのときは窒息で意識がないか、基礎鍛錬か、もしくは水の中でもがいているかの記憶しかないもんなぁ」
いつか、えらとか水かきとか生えてくるんじゃないだろうかと本気でハントは考えていた……もちろんそんなことはなかったが。
例えば、次の段階の修行のこと。
『さて、わしはちまちまを技を教えるのはすかん』
『……はぁ』
『そこで、じゃ』
突如かまえるジンベエにハントがなんとなく首をかしげた。
『魚人空手――』
『え……え
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