第十七話
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いから申し上げたのですよ!」
彼女がとてもフリーダムなのは国王の娘?庶子なのかな? まぁ、複雑な家庭の事情がありそうだ。
でも分家の分家とか聖痕は無いとか言ってたよな……あとで聞いてみるとしようか。
「……見苦しいところをお見せしたこと忘れていただけるとありがたい。 ついては王子、貴公にはこのはねっかえりが実家に戻りたいと言うで、同道してはもらえぬか?」
「父上! なりませぬぞ!」
トラバントが思わず立ち上がり、ブーツが机に当たって嫌な音を立てた。
「お前とて訓練で傷を負いたる者に王子の薬を与えて効果に目を見張っていたではないか」
「それとこれとは話が違います!」
国王とトラバントがこれで不仲になるのは俺にとっては好都合……この時はそう思っていた……
「では陛下、殿下、これではいかがでしょう? わたくしはレイニー様のお手伝いをし、ご実家のほうで薬草栽培の技術指導を行います。現地の方々で充分にこなせるようになればすぐにでもトラキア城に戻ります。 三年もかからぬと思いますが……ご心配ならば見張りの方を何人でもお付けくださって結構です」
俺の言った内容が落とし所となり、トラバントは『ちっ!』とか悔しそうに見えたが不承不承受け入れたようだ。
王宮からの帰り道のレイニーさんは嬉しそうに口笛を吹きながらであった。
「トラバント殿下よりも、レイニー王女の意見が採用されたから嬉しいんですね」
「王女って言われて気分は悪かぁ無いけど、他のヤツらには聞かれないようにな!」
唇の先に人差し指を当ててシーって言ってから彼女は左右をきょろきょろしていた。
「アタシは国王がただの騎士だった時の子でね、下にももう二人ほど居たんだけど」
彼女はらしくなく寂しそうな表情を見せてから
「かーさんを捨てて、当時の王女の旦那に納まったのさ。アタシの父親ってヤツはね。
だからって完全に親子の縁を切っちまうとかそこまで非道なことは出来ない性分なんだろうさ。
トラバント辺りは父上のことを覚悟が足りんとか思ってるだろうよ」
「……レイニーさんのご実家ってどんなところなんです?」
「王子がこっちに来た時に立ち寄りはして無いだろうけど、ちぃさい村でね。 カパドキアって城塞から南にしばらく行ったところにあるのさ、クズみたいな野菜と燕麦くらいしか採れないけど、それでもアタシにとっちゃぁ故郷ってヤツさ、そうだ今日も泊ってくから食いもんくらいはアタシに出させてくれよな」
住まいに戻ってからレンナートさんに引っ越しの件を告げると元気無さそうになりました。
どうしたものかと尋ねてみると
「レンナートの奴は、おさんどんの女とよろしくやってるから別れるのがツラいんだもん
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