第十七話「決意を胸に」
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の一撃で決めようと思っていたんですが――」
手にした木刀に目を落とす。
「イッセーくんの体が硬すぎて魔力でコーティングした木刀の方がダメになってしまいました。あのままでしたら僕は獲物を失って、逃げ回っていたでしょうね」
木場の木刀は半ばから折れかけていた。
「ありがとう、祐斗。そういうことらしいわ、イッセー」
そういうことらしいわって、どう反応すればいいか分からないんですけど……。
「イッセー、貴方、自分が足手まといになると考えてなかった? 確かにブーステッド・ギアを発動していない貴方は弱いわ。けれど、籠手の力を使えば次元が変わる」
部長が先程の戦いで吹き飛ばした山を指す。
「あの一撃は上級悪魔相当のものよ。あれが当たれば大抵の者が消し飛ぶわ」
確かにあんなのが当たれば一溜りもないよな。
「ブーステッド・ギアの甲かは十秒ごとに力を倍増する。基礎を鍛えることで力を蓄える器へと成長した貴方は現時点でも力の受け皿として相当なものよ。今は体力が『二』でも『三』でもいい。もっともっと成長して『五』に、『十』になりなさい。そうすれば、貴方の力はさらに跳ね上がるのだから」
――俺は、すごいのか……。
呆然と佇む俺に部長が優しく微笑んだ。
「貴方は決して足手まといなんかじゃないわ。むしろ、これからのゲームではイッセーが要になる。私たちはチームよ、一人で戦うのではないの。皆が皆、貴方をフォローするわ。私たちを信じなさい」
――強くなれる、のか?
朱乃さんに背負われた眠そうな顔をしたレイが微笑んだ。
「イッセー、みんないっしょだよ……」
レイ……。そうだよな、一人じゃないんだよな。
俺は強く拳を握りしめた。まだまだ強くなる。もっともっと強くなってみせる!
「さあ、私たちの力を見せつけてやりましょう。相手がフェニックスだろうと関係ないわ。リアス・グレモリーとその眷属がどれだけ強いか、相手に思い知らせてあげるわ!」
『はい!』
全員が強く返事をした。そうだ、俺には部長が、みんながいる。みんなと一緒に強くなるんだ。
――勝つのは俺たちだ!
決意を胸に、仲間たちと結束を深めた修業は無事に終えた。
いよいよ、決戦は明日だ。
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