第十七話「決意を胸に」
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は俺を信じてくれていたのに、肝心の俺はうじうじと立ち直れないでいて。
こんなことで腐ってられないと思った。こんなところで立ち止まってられないと感じた。
「……ダチなら期待に応えないとな」
一番のダチの期待を裏切るわけにはいかないから。
† † †
「イッセー、ブーステッド・ギアを使いなさい」
次の日の朝、練習を始める前に部長が俺にそう言った。言われた通りにブーステッド・ギアを発動させる。
俺は修行の間、ブーステッド・ギアの使用を禁じられていた。その使用を今許されたのだが。
ちなみにゲームの開始時刻は午後の十一時。それまでに最終調節を済ませるらしい。
「相手は裕斗でいいわね」
「はい」
木場が一歩前に出る。その手には木刀が握られている。
「模擬戦の前にイッセー、ブーステッド・ギアで力を増幅しなさい。そうね、模擬戦は二分後に開始よ」
「は、はい!」
『Boost!!』
籠手の宝玉から機械的な音声が流れ、力が増幅する。これで俺の力は倍だ。
『Boost!!』
十秒後、さらに力が倍になる。これで二倍。
俺の『赤龍帝の籠手』は使用者の力を十秒ごとに倍増する効果を持つ。一見、無尽蔵に力が高まるように思えるが、実はそうじゃない。コップの容積を越えた水は溢れ出るように、俺が耐容できる範囲というのがあり、高まり過ぎる力は逆に負担となる。一度どこまで高めるのか実験したら数分後に倒れてしまった。
宝玉から『Burst』という音声が鳴り響くと同時に、身体が石になったかのように重くなり、全身の機能が一瞬止まったかのような感覚。あれには要注意だ。
「そろそろ二分ね」
「いくぞ、ブーステッド・ギア!」
『Explosion!!』
この音声は増幅を止める意味をもつ。この間、俺の力は増加した状態であり効果を失うまで各種身体能力が向上された状態だ。まあ、動けば動く程、発動時間は短くなるんだけどね。
「その状態で祐斗と戦ってみてちょうだい。祐斗、相手よろしくね」
「はい、部長」
木場が木刀を構える。
「イッセー、剣を使う? それとも素手で戦う?」
「……素手でいきます」
「よろしい。では始めなさい」
俺も木場に対して拳を構える。ボクシングにあるようなファインティングポーズ。まあ見よう見まねだけど。
フッ。
目の前から木場が消えた! 挙動を見逃さない
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