暁 〜小説投稿サイト〜
自由気ままにリリカル記
十五話〜何この子可愛い〜
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その言葉を俺が言った瞬間リニスが唖然としていた。


「……というわけでリニス。お前は名目上は俺の使い魔だが、俺としてはそこらへんで傷ついた猫を療養させるために家に居候として置いている。こんな認識だからむしろリニスが傷ついて戻って来ることの方が迷惑になるわけだ。ここまでは理解したな。リニス?」
「………」


無言でリニスが頷いたため話を続ける。
気のせいか釈然としない表情をしているが話し続ける。


「だからリニスはさっさとそこの少女達と一緒に元のマスターの所まで戻って使い魔契約を結びなおしてもらってこい。それまでは遠慮なく俺の魔力を使っていいから。俺は俺で勝手にやっておく。ほら! 話はこれで終わりだからリニス達はもう部屋に戻って」


時計を見ると既に一時。さすがに眠くなってきたため、三人とそれに付属しているアリシアを追い出す。とりあえずずっとテスタロッサはおろおろしたままだったがあれで大丈夫なのか? 見た感じポヤポヤしてて上手くジュエルシードを集められるのか疑問なんだが。
……そしてちゃっかし茶菓子を全部持っていくなよアルフ。まあ、別にいいけどさ。


まあひとまずこれでリニスも、プレシアの使い魔だった頃程とは言えないが、それでもさっきよりはかなり戦力アップになったと思う。
……普通の魔導士は戦いで魔法を主体で戦うのが一般的だよな?
やっぱり最低限の防具としてバリアジャケットを使い、肉体強化の魔法も使わずに武器が拳だけってのは可笑しいよな。


だよな? ルナ。


『はい。魔導士は一般的にどの距離から攻撃をするのにもデバイスを使用します』
「だから魔法を練習するよりも勝手に俺が買った筋トレ道具を常に使い続けているリニスが可笑しいんだよな? 気のせいか初めてリニスと模擬戦をした時よりも体つきが心なしか逞しくなって、模擬戦で魔法を使う頻度が減っていくのは少し可笑しいことなんだよな?」
『少しどころかかなり可笑しいと思いますよ。リニスさんが林檎や石を素手でに握りつぶしたのを見てしまった時は魔力を使っていないのか何度も聞いてしまいましたから』
「……だよな」



何でリニスは縁に負けたんだろうか。あれか、武器の差か?
それとも魔法の力ってのはそこまで絶大なものなのか?


それにしてもリニスの筋力は凄いな。
明―――俺の親友の人外になった人間―――……には到底力は及ばないまでもそこそこの人外には達していると思う。
さすがに明みたいな豆腐を壊さないように箸で掴む程の弱い力で鋼を粉砕する程の人外にまでは絶対に到達出来ないだろ。


いや、でもまたリニスと模擬戦をした時に間違って全力の攻撃が体に文字通り突き刺さったり、右腕を肩から根こそぎ抉り取られたらどうしよう。

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