暁 〜小説投稿サイト〜
自由気ままにリリカル記
十五話〜何この子可愛い〜
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るとアルフとリニスは仕様が無さそうに苦笑し、テスタロッサは思わずツインテールが重力を無視して逆立つ程、ギクリと体を強張らせた。

「そ、それは……その……」
「フェイトは浴衣を自分で着ることが出来なかったもんねー」
「そうですね。……それで拗ねてバリアジャケットか私服のままでしかいないのですからフェイトも困った子ですねえ」
「ア、アルフ! リニスも言わないでよ! っもう……」

顔を赤くしてテスタロッサがアルフとリニスに言うが、当の二人はニコニコと笑ってタスタロッサを見るばかり。

「……うぅ……」

居心地が悪くなったのか、とうとうテスタロッサは茶菓子をいくつか掴んで部屋の隅の方に行って体操座りをしてしまった。


随分とまあ……楽しそうなことで。
これから少しだけリニスを怒るというのにこの雰囲気はやり辛いなあ。

「さてと、リニス?」
「っ!? ……なんでしょうか」
「何か言いたいことはあるか?」
「はい……。マスターに迷惑をかけて申し訳ありませんでした」
「それもまあ、あるな。とりあえず正座ね」
「………」


無言で顔を俯かせながら正座するリニス。急に俺とリニスの間の雰囲気が重苦しくなったことに少しオロオロと顔を見合わせ始めるテスタロッサとアルフとアリシア。


俺の宿泊部屋がそんな少し気まずい雰囲気を醸し出す午前一時の事である。少し眠い。


まあ、こんな雰囲気を出した俺が言うのもなんだが、リニスは少し俺の言葉を勘違いしているようである。


「まず、リニスはどの点で俺に迷惑をかけたと思っている?」
「……マスターは表立って戦う予定は無かったのに私の所為で表に出させることになってしまったことでしょうか?」
「うん。まあ半分当たっているけど、俺は別に表立って戦う予定はまあ、近々出てきたと思うよ。……そんなことよりリニスさ。ぶっちゃけ魔力の節約しすぎじゃないか?」
「……は?」
「使った魔力がバリアジャケット維持分と魔力弾数発ってのは、いくらなんでも節約しすぎだろう。だから俺が出て縁をやる破目になったんだよ」
「いえ、ですがマスターの魔力量はただでさえ少ないのですから私が迷惑をかけるわけには……」
「もう既にそれが迷惑なんだけどな。ぶっちゃけ節約した挙句、無様に負ける方が俺にとっては迷惑だ。こんなことになるなら俺の魔力を枯渇寸前まで使っても良かったんだが?」
「ですが……」
「前から思ってたんだけどそのマスターっていう言い方もあまり気に入らないんだよな。マスターって呼ばれたいがために使い魔契約結んだわけじゃないし。そもそも俺は使い魔として扱うために契約したわけじゃないし」
「ええ!? それなら何故あの時私を助けたんですか!」
「助けても俺にデメリットが無かったから」
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