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東方守勢録
第七話
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守矢神社


「騒がしいねぇ……諏訪子」

「またあいつらが来てるんじゃないかな?神奈子」


そう遠くない場所から聞こえてくる騒音を聞き取った神の二人は、険しい表情をしていた。


「あの天狗娘を偵察にいかせてるけど…大丈夫だろうかねぇ」

「おや?神奈子が天狗の心配するなんて珍しいね?」

「こんなときにからかわないでくれるかい……諏訪子」

「こんなときだからこそだよ。あ……噂をすればって、あれ?」

「……増えてるねぇ」


二人の前に現れたのは、三人の天狗娘たちであった。もちろん、文と椛とはたての三人である。


「あやや……本当におられたのですか」

「だから言ってるでしょう……」

「そんなことより、早くはたてさんを休ませてあげましょう」


二人はけがをしたはたてに無理をさせないようにしながら慎重に行動すると、近くにあった木にもたれ掛けるように、そっと座らせた。

怪我をよく見ると、幸い弾丸は貫通しており出血もそこまでひどくはなく、重症とまではいっていないようだった。

思わずほっと安堵のため息を漏らす文と椛だったが、治療するまでは安全と言いきれない。再び気を引き締めていた。

そうこうしていると、例の二人もはたての怪我に気づいたらしく、ゆっくりと近寄ってきた。


「やはり何かあったのだな……で?お前たち二人はなぜここにいる」

「まあ、たまたま通りかかったらこの通りだったので」

「たまたまねぇ……まあいいだろう。中に手当てできるものがある。治療をしてやってくれ」

「わかりました。椛、頼んでもいいですか?」

「はい」


椛は軽く返事をすると守矢神社の中に入って行った。


「さて、本当はなにをしにきたんだい?」

「情報収集ですよ。こちらもいろいろと入用でして」

「烏天狗は情報収集が得意だもんね〜。でも、ここには何もないよ」

「諏訪子の言うとおりだ。ここには何もないし進展もない。悪いねぇ」

「いえいえ、それ以外にもこちらの情報もお教えしようと思いまして」

「お前の情報は胡散臭いからねぇ……別にかまわんよ。それより、私たちは忙しいんだ」


神奈子はそう言ってその場を後にしようとする。


「ちょっと神奈子〜?」

「そんなこと言わないでくださいよ。あっ!こんな情報がありまして……」


そういいながら文は不敵な笑みを浮かべていた。


「東風谷早苗さんのことなんですが……」

「!?」


『東風谷早苗』その人物の名前を口にすると、神奈子はその足を止めた。


「つづけろ」


神奈子はさっきまでとは別人のように声のトーンを下げてそう言うと、再び文
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