SAO編
episode3 夜の会話ととあるフラグと
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「さーな。もしかしたら一足先に、三途の川で俺を待ってるかもな」
不謹慎で、ふざけた返答。『狂戦士』や、今のキリトの前では言えないセリフだな。人より生に執着が少ない(正確には生きていくことに対して感情の起伏が少ない)、と言われたこともある俺だが、言っていい時と悪い時くらいはわかる。
だが、どうやら今回はそれを分かっていなかったらしい。ソラの眉が顰められる。どうやらこいつもそういった不謹慎ネタはNGらしい。怒られるかと思ったが、叩かれることもわめかれることも無かった。
ただただ。
「そっか。辛いこと聞いちゃったね。ごめん」
代わりに、謝られた。
…いや、そこまで悪いことでも辛いことでもないと思うがな。
だがまあ、人の心遣いが分からないというわけでもない。
ここは神妙に頷き、コーヒーをすすり。
「じゃあ代わりに、現実世界での私の話をしてあげよう!」
「ブハッ!?おいっ!」
盛大に噴き出した。
ふざけんな、せんでいいわ、と言おうとしたのだが、むせてしまって…いや、一瞬迷ってしまって言葉に詰まってしまった。正直に言おう。どういう人生を送ればこういった人間が育つのか、若干の興味があった。
その一瞬の逡巡の間に、ソラが語りだす。
「わたしはねー。こう見えて実はなんとっ! 病院暮らしなのです!」
自分の、現実を。
「もう十年くらいかなー。小児科病棟のヌシでねっ! 看護師さん達と一緒に他のちびっ子たちの面倒を見たり、一緒にゲームしたりして遊んでるんだっ。病院の外には出られないし、激しく体を動かすのは厳禁だけど、それくらいはできるからねっ。でもやっぱりおねーさんとしては、ガキんちょ相手のゲームだけでは物足りないのよっ。それでいくつもゲーム買っててねー、人気ゲームは親に無理言って並んで買って貰ってっ。そのうち一つがこれだった、ってわけなのですっ!」
その、過酷な現実を。
「わたしねっ。不謹慎かもしれないけど、この世界にこれてすっごく楽しかった…。ううん、今もすごく楽しいよ。こんな広い世界で、こんな元気に動き回ってさっ。そんでみんなに…レミたんやファーちゃん、…もちろんシドにも…会えて、毎日すっごい楽しいんだ」
本当に、楽しそうに語る。
「毎日が、夢みたいでさ…。ははっ、ホントに不謹慎だねっ。……そうだねっ、わたしが言いたいのはさ。大事なのは、この世界を楽しむことだと思うんだ。茅場晶彦が言ってたじゃん? 『これはゲームであっても、遊びでは無い』って。でも、『遊びじゃなくても、ゲームなんだ』って、わたしは思う。だから、楽しまないといけないと思うんだ。精一杯、目一杯、この世界を楽しむ。それが、それを出来る人こそが、このゲームをクリアし
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