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記憶の奏
記憶の奏
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イチノの笑顔を見ているだけで俺は不思議とどこか救われている気がする
「…ありがとな」
「フフッ、ありがとうございます」
イチノ、俺の大事なパートナーのイチノ
俺はそっと目の前の少女の頭を撫でてやる
「えへへ、マスター」
するとイチノは甘えた声で俺に擦り寄ってくる
…いや、しかし、だからこそこの様にイチノが俺に甘えてくる度に俺とイチノは違う存在なのだと感じてしまう
………
イチノ達、つまり、大導師やそれに準ずる者達のパートナーとなる者達は、一見どこにでもいる普通の人間のように見えるのだが、普通の人間とは違いそれぞれが個別に持った特殊な力を使うことができるのである
ある者は火を操り、またある者は水を操る、といった具合だ
そして、イチノ達の力の底上げをするための鍵となるのが俺たち人間の役目だ
物の本によると、俺のような特殊な人間が体内にある魔力的なものをイチノ達に送り込んでやればいいとの事だ
そしてイチノ達には3つの特徴がある、
1つ目は、イチノ達は皆一様に、6歳から15歳位の少女外見をしていて、一生をその外見年齢で過ごすことになる
ちなみにイチノの場合は光の力を操ることができ外見年齢は12歳程度である、あと俺は現在14歳である
そして俺たちは特異な力を使う少女たちを精霊と呼ぶ
2つ目に精霊達のランク分けで
個々の力が弱く大規模な群れを形成する精霊を小精霊
小精霊役50人分近くの力を持ち小さな群れを作る中精霊
そして神に匹敵する力を持つ大精霊といった具合にそれぞれの力に応じて彼女達を仕分けることができる
と言ってもいくつかは例外もあるのだが
大概の精霊達は戦ってみるまでどのランクに分けられるかは分からない事が多い
そして3つ目に、全精霊は人との間に生まれた絆と、とある条件をクリアする事によって莫大なパワーを発揮することができる、
まあ、その条件はまたいつか話すとしよう
つまり俺たちと精霊の互の力が合わさることにより、真の強い力を出すことができるという事だ
………
「あの、マスターはこのあと何処かに行かれるのですか」
「いや、とくに無いな…」
「なら皆さんがマスターの為に歓迎会を開いてくれるらしいですよ、一緒にどうですか」
歓迎会、ね…フン、どうせそんなものは上っ面だけの物だろう
そんなものに俺が付き合う義理はどこにも存在しない
「いや…イチノには悪いけど俺はいかない」
「そう、ですか…」
残念そうに俯くイチノ、少々可哀想な気もするがあいつらの居る所にはなるべく行きたくない
「すまんな、ちょっと風にあたってくる」
俺はイチノにそう告げると足早にその場を立ち去ろうとするが
イチノが俺を呼び止める
「マスター、その…ご一緒してもいいですか?」
「…まぁ、来たかったら来ればいい」
何故素直
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