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IS インフィニット・ストラトス〜転生者の想いは復讐とともに…………〜
number-34 recall the past
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矢は機械の翼を羽ばたかせ宙へと飛びだった。
キィィィンと風を切る音だけが響く。
麗矢は束が落ちない様にスピードを調節しながら進む。
「…………ねえ、れーくん。君は何のために生きているの?」
束からの問いかけに麗矢はすぐに答えることはなかった。
考えているのだろうか、それは麗矢にしか分からない。
「……復讐のため。俺には親がいたんだ」
束の問いには麗矢の過去を話す必要がある。
麗矢は束には話してもいいかと思ったようでポツリポツリと話し始めた。
麗矢の親は仲が良かった。
だから周りと容姿が違う麗矢が生まれてきてもか変わることはなかった。
親は放任主義だった。
心の奥で気味悪がっていたとしても麗矢を親との仲は変わることはなかった。
会話を交わすことは少なくなっていたが、学校行事には必ずと言っていいほど来てくれた。
周りの親は麗矢のことを冷たい目で見ていたが、両親だけは変わることはなかった。
全てが変わったのは両親が借金を抱えた時からだ。
親たちが消えてから、麗矢もいなくなった。
麗矢の親はある企業にいたんだ。
そこで絞れるだけ絞られて、極潰しのように使われて、挙句の果てに殺された。
それでいて恨まずにはいられない。
だからあいつらの言いなりになっていたんだ。
あいつらの狗になって、ある程度信用を得て殺すと決めたんだ。
「こんなものさ、満足したか?」
「……そんなに苦労していたんだね……」
束は麗矢の過去を聞いて涙が止まらなくなっていた。
麗矢は束の顔を見ようとはしない。
真っ直ぐに前を見て進み続けた。
「……もうすぐ着くよ」
束は涙を隠そうとしながら、麗矢に目的地が近いことを伝える。
目的地に近づく。
――――ついたよ、れーくん。
――――あれが今の“亡国企業”の基地だよ。
物語の歯車は回り始めていた――――
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