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剣の丘に花は咲く 
第六章 贖罪の炎赤石
第六話 学院に伸ばされる手
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も着替え始めた。
 襲撃してきた男は二人ともメイジで、隣の部下の部屋を襲撃した男たちもメイジ。どうやらメイジだけで構成された部隊のようだ。身なりからして正規兵というわけではないだろう。

「……傭兵か? ……厄介だな」

 メイジの傭兵部隊。戦い慣れたメイジの集団。
 学院に残っているのは、殆どが女子生徒。

「……状況は最悪だ」 











 メンヌヴィルたちによる襲撃により捕られえられた女子生徒たちは、着の身着のまま食堂に連れてこられた。九十人近い女生徒は、不安に身を震わせながら涙を流しているが、怪我一つ負っているものはいない。幸か不幸か襲撃を受けた際、女生徒たちは怯えて抵抗することがなかったため怪我を負うことはなかった。
 食堂に集められた者たちは女生徒だけではない。学院に残った教師の姿もあり、その中には学院長であるオスマン氏の姿もあった。床に座り込む捕虜となった彼女たちの手には、後ろ手にロープにより縛られている。魔法により一人でに動くロープにより縛られる際も、女生徒たちは抵抗らしい抵抗は見せなかった。
 俯いて震えるだけの捕虜たちに向かって、メンヌヴィルは優しく聞こえる声で呟き、

「今まで通り大人しくして頂ければ、怪我一つ負うことはありません……が」

 腰から抜いた杖を突きつけ、

「オレを苛立たせる行動を取れば……焼き殺す」

 粘ついた笑みを浮かべた。
 メンヌヴィルが浮かべた笑みは、蛇が笑ったかのような笑みで。見るものに怖気と不安を感じさせるものだった。
 メンヌヴィルの言葉か浮かべた笑みのどちらが理由かは分からないが、泣き出していた幾人かの女生徒たちが泣き止み。食堂が静まり返る。
 呼吸する音しか聞こえなくなった食堂を見回したメンヌヴィルは、満足そうに頷く。
 捕虜となった女生徒たちがますます怯えるなか、

「あ〜……ちょっといいかね?」

 何処か緊張感がない声が響いた。

「……なんだね」

 突然声を掛けられたメンヌヴィルは、何処か楽しそうな表情を声をかけてきた老人――オスマン氏に顔を向けた。

「いやなに。女性に乱暴するのだけは勘弁してくれんかね。君たちはアルビオンの手のものじゃろ。どうせ交渉のカードとするためここを襲ったのじゃろうが、交渉にはわし一人居れば十分お釣りがくるじゃろう。君たちだけじゃこれだけの生徒を見るのも大変じゃろうし、せめて生徒だけは開放してくれんかね?」
「ハッ! 馬鹿を言うな」

 穏やかな口調でオスマン氏が説得しようとするが、それをメンヌヴィルは鼻で笑い一蹴する。

「軽く脅しただけで黙り込む奴らの監視などに、どれだけ手が掛かるというのだ。それにな――」

 オスマン氏に歩み寄りジトリと睨み付け
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