第六話
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
2・3時間ほど前
「ここまでは特に何もありませんね」
「そうですね〜」
出発から約1時間ほど経ち、文と椛は守矢神社の付近まで足を進めていた。
だが、これといった情報はなく革命軍も進攻していないようだったため、調査に進展が見られなかった。
「ところでここに何を調べに来たんですか?何か気になることがあると言われてましたが……」
「あ〜気になると言うかは私の推測なんですよ」
「推測ですか?」
「ええ。まあ結果は守矢神社に向かえば分かると思うのですが……」
「そうですか……あれ? 文さんあそこにいるのは……」
「……」
ふと立ち止まった二人の視線に飛び込んで生きたのは、5人の男と交戦する一人の少女だった。
「はあ……はあ……」
「くそっすばしっこいやつめ!」
男たちは必死に銃口を少女に向けようとしていたが、少女の速さについていけず、威嚇射撃すら行えない状態に陥っていた。
(しつこい人たちね……でも……ここで戦意を喪失させなきゃ!)
「もう一人の天狗娘に比べるとそこまで速くはない!全員目を凝らしてよく狙うんだ!」
「了解!」
「ああもう!」
「うわっ!?」
少女は一瞬で男に近づくと、持っていた銃を思いっきり蹴り飛ばす。
約30分まえからこの攻撃を繰り返してきたが、相手が退く気配は全くなく長期戦にもつれこんでいた。
(このままじゃ私の体力ももつかどうか……)
「ちょこまかと……いい加減にしろ!」
しびれを切らしたのか、男は適当に銃口を向けがむしゃらに銃口を引き始める。誰もが当たるはずはない……そう思っていた。
だが……この日は少女にとって厄日のようだった。
「いたっ!?」
発射された一発の弾丸が偶然にも少女の右太ももをとらえる。少女は痛みに気を取られ、徐々にバランスを崩し始める。
そして……
「しまっ……きゃあ!」
猛スピードで木にぶつかり、その場に倒れこんでしまった。
「やっと止まったか……」
男たちは少女が動けなくなったのを確認すると、銃口を向けながら徐々に近寄っていく。少女は必死に動こうとするが、右足が言うことを聞かず、這いつくばってでしか動くことしかできなかった。
(お願い動いて……私が捕まったら守矢神社の人たちが……)
「それ以上は無駄なあがきだ」
男はそう言って少女の頭に銃口を突き付ける。
「さあ……おとなしくしてもらおうか……」
「そん……な……」
「諦めるのが早すぎませんか!?」
「え……!?」
「なっ……うわ!?」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ