第6話『力を求めたその先は』
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額までも地面にこすり付けて、ハントは大声で願った。
「なんでもします。だから、お願いします! ……俺を強くしてください、村を救う力を……生きる力を教えてくださいお願いします!」
ハントの声がこだまする。
ジンベエは答えずに、じっと向けられた頭に視線を送る。
「もしもお前さんが最後、首を絞められたまま抵抗する素振りを見せんかったらわしはお前さんを見捨てていた」
言葉を区切って、ジンベエが笑う。
「命を拾ってやったわしにもお前さんの面倒を見る義務が少しはあるじゃろうな」
「ぇ」
ハントの顔が上がった。
ぽかんと、何をいわれたかわからない様子のハントに、ジンベエは大きく頷いた。それを見て、ハントの表情がみるみると喜悦にゆがんでいく。
「ありがと……ござびばず!」
また、ハントは地面に額にこすりつける。
「……ばず……ばず」
涙にぬれた声で、何度も、何度も。
ハントはお礼を言う。
こうして、ハントはジンベエのもとで厳しい修行をつむこととなったのだった。
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