コラボ編
コラボ作品予告 序章:珍事な朝
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『退院したらデートにでも行くか?』
それは、大切な恋人との約束。
SAO帰還者たちが通う学校が四月後半からあるので、それまでに東京をあまり知らないから案内してくれ、という意味合いを込めて退院後にデートを約束した。
外出許可を申請してもよかったが、体に負担をかけ退院を遅らせるのもどうかと思い、退院後ということになったそれは四月上旬に履行されることとなった。
これは、そんな時におこった奇跡としか言いようのない物語。
◆
二〇二五年陽春、姉が借りている品川にあるとあるマンションでソレイユは目を覚ますと女性の一糸まとわぬ姿が目から飛び込んできた。
「mg@lkhjw¥っ!!?!?!?!?」
もはや何を言っているかわからない叫びを上げながらベットから跳び起きる桜火/ソレイユ。不幸中の幸いなのが、このマンションは防音完備だということである。そのため、叫びを聞いた誰かがここに来ることはまずない。
「ふふ。相変わらず、面白い反応をしてくれるわね、桜火」
裸で桜火のベッドに侵入していた不届きものは微笑みながら桜火の反応を楽しんでいた。そんな不届きものの正体が誰なのか桜火はその時点で検討が付いた。
「翡翠!」
そう、桜火の従姉にして、桜火にとって恩師と言っても過言でない女性(もっと言うなら初恋の人そして天敵)、月影翡翠その人であった。
「またか・・・もういい加減にしてくれ!」
「だって、あなたの反応が面白いのよ。病み付きになるくらいに、ね」
妖艶にほほ笑みながら言う翡翠に桜火は言葉も出ない。注意した程度でやめてもらえるのならこんな苦労は背負っていない。
「それより、いいの?焔から聞いたわよ。今日、デートなんでしょ?」
先ほどの表情とは一変して時計を指差す翡翠。指された時計を視ると桜火はやってしまったというような表情で慌てて支度を始める。そんな桜火を見ている翡翠はただ一言呟くだけだった。
「青春してるわね〜」
「同性の恋人が三桁もいるあんたにいわれたくねぇよ!」
「失礼ね。ちゃんと愛してるわよ、みんな」
「この遊び人が!!」
そんなコントをしているうちに桜火の準備を整い、出発する前に月雫に連絡しようとするが充電することを忘れていたらしく、電池切れを起こしていた。
「姉さんは?」
「デートだって」
「そですか・・・んじゃ、いってきます!」
「ええ、いってらっしゃい。それから、桜火・・・」
「あん?」
「今日は帰ってこなくても大丈夫だからね」
「反応したおれがバカだったよ!」
そうって部屋から出て、猛スピードでマンションを後にする桜火。それから翡翠はしばらく桜火のベッドで惰眠をむさぼっていた。
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