暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
SAO編
episode2 風来坊の止まり木
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の治安維持。少なくない犯罪者(オレンジ)プレイヤーの存在するこのゲームだが、攻略組にもそいつら全員を取り締まる余裕はない。それが出来るのは、巨大な構成員数を誇るこの『軍』だけなのだ。倒れて貰っては困る。

 とりあえず今日は朝はダンジョン、昼から報告書作りで疲れた。
 さっさと帰って寝てしまおう。
 なんか言いたげな二人を背に、俺は転移門へと歩き出した。



 「ふっふっふ!」
 「デジャヴだなぁ、ったく」

 二十七層の転移門へと帰ってきた俺を出迎えたのは、どこかで見たことある様ななんちゃってボックス行為に、どこかで聞いたことある笑い声。

 とりあえず、

 「うるさいから店にいくぞー」
 「あっ、首締めないでっ、自分で歩くよっ、」
 「はいはい、いいからいくぞー」
 「おっ、すごいっ、コードが発動しないぎりぎりの苦しさっ!!!」

 やけに偉そうなソラをさっさと引き摺っていく。

 うしろでファーが苦笑いを浮かべ、レミが両手をヒラヒラさせる。
 とりあえずため息一つ。

 はあ。

 「ま、待って待って、今日はそんなに時間かからないからさっ!」
 「なんだよ全く。そういって前はそこそこかかったろうが、今回も、」
 「今回は賄賂が一つと、お願い一つだからっ! すぐすぐっ!」
 「そんな言って前回も、っ!」

 突然表示された交換ウインドウ。そこにあるアイテムは一つ。

 《ミスリルド・ガントレット》。

 希少品である『ミスリル』。それを、使い道など殆ど無い円形盾派生防具(ガントレット)に使う奴など、ほぼいない。当然どこかに売っている訳もない。オーダーメイドだったのだろう。

 「えっとねっ、知り合いの鍛冶屋の子に怒られちゃったよー! 「いきなり来てすぐ作ってとは何事かー!」って。でもちゃんと作ってくれてねっ! 根は真面目ないい子なんだよねっ!」
 「これ、よかったのかよ?」
 「うんっ! 出してみてみてっ!」

 言われるままに実体化してみる。

 現れたのは、薄緑色をした、前腕をすっぽり覆うサイズの金属製の手甲。手にとってみたが、その重量は驚くほどに軽く、俺でも装備するのは容易いと思われた。手にとった瞬間の俺の顔を見て、ソラがニコリと笑う。

 「よかった。これなら装備出来そうだねっ!」
 「いや、だが、っ!」

 急に顔を覗きこまれて、驚いて仰け反る。はっきり言ってソラは、『狂戦士』のような絶世の美女というわけではないが、下からのやや見上げるような笑顔は、なにか健康的な、無防備な魅力を持っていた。

 正直に言おう。
 ちょっとだけ、くらっときた。

 「お願いが、あるんだっ」

 笑顔が、上目遣いに変わる。

 「あのねっ、わた
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