暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
SAO編
episode2 集団で戦うということ2
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ルだけで埋めちゃってねっ」
 「……」
 「それで、戦うときに合うような装備をいちいち選択するようになって、いっぱいのモンスターと戦うときに途中で変えられるように練習して、ってしてるうちに上手になってねっ」
 「うん、まあ、分かった。ソラはバカということがよく分かった」
 「なっ!!?」

 予感…特に、嫌な予感はしっかりとあたってしまった。この女、あろうことか戦闘以外…更に言えば攻撃以外のことを一切考えずにスキルスロットを埋めやがったのだ。この時俺が思ったのは、二つ。一つは、「よく今まで生きてこれたなコイツ」という呆れ。

 そしてもう一つは、戦慄。
 この女の戦闘のセンスは、一体どれほどに鋭いのか、と。

 普通はどんなプレイヤーでも、『武器防御』スキルや『盾』スキルといった防御系のスキルを最低でも一つはもつものだ。さもなければある程度の重量を持ち、種々の制限と引き換えとなるような重厚な金属鎧を纏うか。

 俺自身はそのどちらも持たないが、それを補うだけの敏捷性を持ち、それ以前に『隠蔽』で集団に囲まれないように細心の注意を払っている。鎧、盾を持たないキリトは『武器防御』スキルの達人だし、最近噂の『狂戦士』も、盾無しの細剣スタイルだがアーマーは確か現在最硬で超軽量のレア金属製の高級品と聞いた。

 だがこの女は、そのどれも持たずにここまで登ってきた。おそらく、パリィとステップだけで。

 βテスト経験者では無いにも関わらず、いやたとえβテスターだったとしても、その戦闘能力と環境適応力、そして戦いのカンは、間違いなく一線級。

 (…この女は、死なせてはならない)

 この女は、きっと将来ゲーム攻略のカギとなる。『血盟騎士団』や『聖竜連合』そしてキリトや『狂戦士』と共に。こんなところで死なせてはいけないし、その腕を磨き続けなけれなならない。この世界に囚われた、全てのプレイヤー達のために。

 …思えばこの時駆りたてられた、庇護欲って奴のせいで俺は道を踏み外したのかもしれない。



[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ