暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
SAO編
episode2 集団で戦うということ
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あるだろう右手には、ボス攻略メンバーの装備でしか見たことの無いようなどでかいタワーシールド。

 時折の隙をついての盾で捌けない攻撃には、街で着ていたのより遥かに頑丈そうなプレートメイルを装備した体それ自体で止める。時折盾が緑にエフェクトフラッシュを放つのは、恐らくなんらかの『盾』スキルが発動しているのだろう。

 「リーダーっ、ヘルプ!」

 そして、ファーが耐えきれなくなったら、またソラが突っ込んで乱戦を演じ、憎悪値を拡散させ、戦線をリセットする。うん、完璧なコンビネーションだ。後から知ったが、この方法はかなり特殊かつ難易度の高い連携で、他の連中はせいぜいスイッチのタイミングを計るくらいらしい。

 と、感心していたところに。

 「もちょいで終わるっ! 頑張ってファーちゃんっ!」
 「ええっ!!? ヘルプ、ヘルプっ!」
 「あー、シドくん、お願い!」

 いきなりチームワーク崩壊。

 いや、ファーにも笑っている余裕のあるところをみると、恐らく本当にヤバい訳ではないのだろう、三匹の狼を同時に捌きながらもHPゲージも緑色を保っている。だが、俺に助けを求めたところを見るに、永遠と大丈夫ってわけでもないのだろう。

 やれやれ。

 「了解」

 幸い、俺のスキルならこの役割はうってつけだ。

 タワーシールドの隙を縫うように走り抜け、そのまま出の速い『体術』スキル《スラスト》を発動。盾に噛みついていた二体の狼を弾き飛ばし、戦線を押し上げる。そのまま噛みついてくる別の狼の牙を
身を翻してかわし、そのまま回し蹴りを入れる。

 超非力アパターのおかげで三割ほどしかHPを削れていないが、ここでは問題無いだろう。
 なぜなら。

 「なーいすっ!」
 「助かったッス!」
 「……ぐっじょぶ」

 うし、予想通り。

 三人が繰り出したそれぞれの大技ソードスキルが、俺が怯ませた三匹を残らず爆散させた。


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