候補生のお仕事
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方針がありまして……色々聞きたいことはあったのですがそれも聞けずローラン少佐としてはストレスがたまっているんです」
「はあ、そうなんですか……あれ? でもそれはヴェルヌ候補生も同じでは?」
「ここはカメラの死角ですから大丈夫です」
「そうなんで……え!?ヴェルヌ候補生確かここに来るのって初めてですよね!? どうして監視カメラの位置を知っているんですか!?」
「知っているというか感じるというか……まあ昔の経験から何となく分かるんです」
なんでしょう? そういう時のヴェルヌ候補生は何かあまり思い出したくないような顔をしていました。
「ああ、そうそう。資料と説明、ありがとうございました。非常に分かりやすくて助かりました。私が言いたかったのはそれだけです」
「は、はあ……」
「あ、それと……あの子のこと、よろしくお願いします」
ヴェルヌ候補生は笑顔で頭を私に向かって下げました。金色を含んだブラウンの髪の毛がその勢いで思いっきり広がります。いきなりの行動に呆気に取られた私を置いてヴェルヌ候補生はそのままエレベーターに走っていきました。なんというか……17歳とは思えない落ち着き方でしたね。どっちかっていうと子供を心配する親みたいな感じを受けました。
シャルロットさんの心配もしていましたし、フランスの方でもやっぱり心配はしてるんでしょうね。うん、一つ悩みがすっきりして元気出たかな。
その時隣のエレベーターが音を立てて扉が開きました。
「あら、終わったみたいね。お疲れ様」
「母さん?」
中から降りてきたのは白衣を纏った母さんでした。なんでしょう? 今日はずっと仕事のはずですけど。
「一段落ついたから貴方の様子を見にね。あと私が説明できる部分もあるんじゃないかと思って。無駄足だったみたいだけど」
「そうですか。ありがとうございます」
「いいわ、とりあえずお疲れ様。明日も頑張ってね」
「はい……はい?」
え? 今明日もって言いました? え、え? どういうことですか?
「明日は朝からアジア勢の人たちが、明後日は米国勢の人たちが来るわ。可能な限り私かゼヴィア局員も参加するけど基本は一人だからよろしくね」
「は、は〜い……」
う、嘘でしょう……とも言えず、母さんの言葉に私は頷くことしか出来ませんでした。
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