暁 〜小説投稿サイト〜
シャンヴリルの黒猫
18話「名も無き町のギルド」
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うな気軽さで森に消えていったアシュレイを見送り、ユーゼリアは苦笑した。

(……アッシュって、なんだか猫みたい)

 ふっと現れたと思えば、気がついたら一緒に旅をしている。かといってずっとひっついているわけでもなく、今みたいにふらりと離れていく。
 まるで気まぐれな、猫のようだと、ユーゼリアは思った。

「今度はちょっとくらい美味しいご飯を食べさせてあげたいな」

 ここから交易都市シシームまでは、昨日のスピードで大体2日半。途中また川もあるだろうし、なら多少贅沢をしても大丈夫だ。貯めた貯金を少しくらい切り崩しても問題ない。もともと使い道などなかったのだから。

「……ふふー」

 いいことを考えたと、スキップをしそうな勢いで市場までゆく。

 お花のオーラを撒き散らしながら嬉しそうに笑みを浮かべ、バスケット片手に食材を買う姿に魅了された店員(主に男性)から次々とおまけを貰ったのは、言うまでもない。
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