第二幕その五
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伯爵はまた隠れた。そしてこちらにやって来るその二人の女に目をやった。それは伯爵の予想通りであった。
「お嬢様」
「ええ」
レオノーラはイネスの言葉に答えた。
「もうすぐね。もうすぐで私は神のお側に参ることができるのだわ」
「残念です」
嬉しそうなレオノーラとは正反対にイネスは沈んでいた。
「どうしてなの?」
「これでお別れかと思うと」
イネスはその目に涙を宿していた。
「それはそうだけれど」
それを見たレオノーラの心も痛んだ。だだそれでももう彼女は意を決していたのである。
「もう私にはこうするしかないから。それはわかってね」
「はい」
イネスもそれに頷くしかなかった。
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