暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】剣製の魔法少女戦記
第二章 A's編
第四十三話    『シホの過去の話(前編)』
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
何もできずただ声が聞こえなくなるまで歩き続けるだけ…。
次第に火は収まっていき変わりに雨が降り出して私も力尽きたのかその場で倒れてしまいました」

なのはとフェイトはそれで涙を流していた。もう内容は一度聞いているフィアですら涙を流している。
やっぱり誰でもこんな話はなれないはずだ。

「そして何を思ったのか私は片腕を空に伸ばして何かを掴もうとしていたのかもしれません。
でも次第に腕にも力が入らなくなり落ちそうになった時に、その腕を掴んでくれた人がいたんです」
「その人は誰だったんですか?」
「衛宮切嗣…第四次聖杯戦争の生き残りだと知ったのは随分先の話ですが…その時に私の意識は闇に落ちました。
そして次に目を覚ましたのは病院の一室でした。そこには他にも助かった人たちがいましたが皆私と同じように感情を削ぎ落としたような表情をしていたのを覚えています」
「それは…僕も何度か見たことがある。戦争や災害後の生き残りは大抵そうなるらしいからな」

クロノは見たことがあるようだ。
執務官ともなればそういった経験もするものなのだろう。

「しばらくそうしていたら衛宮切嗣…私はじーさんと呼んでいたっけ。切嗣が私のところにやってきて孤児院にいくか知らないおじさんに引き取られるかどちらがいい?と聞いてきたんです。
その時はどちらでもあまり変わらないと思ったのかすんなりと私は切嗣と一緒に行く道を決めました。そして私は■■士郎から衛宮士郎になった」
「切嗣さんは…どうして」
「なのはの言いたい事は分かるわ。でも切嗣も罪の念に駆られていたんだと思う。
そして私と切嗣は二人で広い武家屋敷に住むようになって私が一人でも家を切り盛りしていけると判断したのか切嗣は何度も海外に旅行するようになった。
寂しかったけど姉貴分の人はいたし切嗣の持ち帰ってくる旅行の話が私の唯一の楽しみだった」
「どうしてシホと一緒にいてくれなかったの?」
「うん…まぁ理由はあったと思うの。今からして思えば切嗣は何度も迎えに行こうとしていたんだと思う。実の娘であるイリヤ…イリヤスフィール・フォン・アインツベルンを」
「アインツベルン…?」

そこでクロノが小さい声で呟いてなにかを考え出した。
そして何かに思い至ったのか、

「あ! 済まないシホ。話の途中で悪い! エイミィ、アインツベルンといえば…」
「あ、そうだね」
「何か知っているの?」
「ああ。アインツベルンというのは、名前までは調べられなかったが最後の聖王であるオリヴィエ聖王女と共に同時期にその名を消した『聖なる錬金術師』。…そういうあだ名で呼ばれていたらしい」
「えっ! こちらのアインツベルンも錬金術が専門の魔術師の一族だったわ」
「クロノ、エイミィ。その件に関して後で調べてもらって構わないかし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ