第二章 A's編
第四十二話 『シホとエミヤの邂逅』
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そうでもこちらは急ぐのよ」
足にブーストをかけてシホは仮面の男に肉薄する。
「早い!?」
「せいっ!」
背後に移動してからの干将の左薙ぎ。
それを仮面の男は辛うじて腕で防ぐ。なにかを仕込んでいるのだろうか? 剣を当てた腕からは「カンッ」という鉄製の響きが返ってきた。
シホはそれで一度瞬動を使いそこから後退して、
「それなら!」
《Illusion air.》
アンリミテッド・エアがそう言葉を発した瞬間、シホの周りにいくつもの干将・莫耶が浮遊し停滞した。
「いって!」
数は二十はあるだろう同じ形の剣達が一斉にすべて回転を始めて仮面の男に襲い掛かる。
仮面の男は一度その場から逃げるようにして空を飛び、だが一双二対の干将・莫耶が抜きん出て襲い掛かる。
それを弾こうと腕を振るうが感触はなにもなくただ剣は空気に溶けるように消える。
「幻像か! がっ!?」
仮面の男の背中を違う干将・莫耶が掠り通り過ぎる。
「そう、これは幻像でもあり実体でもある。どれが本物か偽者か…あなたにはわからないでしょう?」
そして消えたと思った干将・莫耶は再度剣軍の中で数を放った時と同じ数に生産しなおされる。
仮面の男の周りをくるくると旋回し続けている。
「さぁそれを突破できるものならしてみなさい」
「くっ! なめるな!」
すると仮面の男はエクスキューションソードを作り出し射出した。
何度かカンッカンッという音が響き干将・莫耶達はすべて消え去った。
「せいっ!」
仮面の男が剣の牢獄を突破して拳を突き出してくるが、突き出されたシホの姿もこれまた幻像でその姿は掻き消える。
どこにいったのかと視界を巡らせようとした仮面の男は頭上から聞こえてくる声に上を向く。
《Sch?tzeform.》
双剣は連結させて《ツヴィリングフォルム》から一つの弓《シュッツェフォルム》へと変化を遂げていた。
「赤原を往け、緋の猟犬!」
《Hrunting.》
放たれた魔力でできた赤い魔弾は勢いそのままに仮面の男へと迫っていく。
それを距離を置きながら回避するがしかしこの矢はそう甘くはない。
避けたそばから急に旋回してまたしても仮面の男を追尾する。
「なんだこの矢はっ!?」
「あなたはそれにずっと追いかけられていなさい」
シホは横目で見ながらその場を後にした。
矢から意識を離したら効果は切れてしまうけど時間稼ぎには十分だろう。
◆◇―――――――――◇◆
Side シャマル
「湖の騎士、結界破壊魔法を放つ準備を…」
「はい、主。後、少しです」
アーチャーさんがそう私に問いかけてくる。
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