第三話
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。案外早かったじゃない……咲夜」
エントランスでは二階から紅魔館の主が出迎えてくれた。
「はい。手伝っていただいた方々がおられますので。これだけあればあと二ヶ月程度はもちます」
「それはよかったわ。さて……」
紅魔館の主は二階からスッと飛び降りてくると、真っ先に俊司に近寄って行った。
「あなたが外来人の味方ね……私は……って名乗らなくてもわかってるのよね?名前は?」
「里中俊司です。レミリア・スカーレットさん」
「俊司ね……ところで一つ聞きたいのだけど?」
「なんですか?」
「咲夜を倒した時に使った能力……あれは何かしら?」
どうやらレミリアは、俊司が咲夜を能力を使って倒したことを知っているようだった。
まさか知られているとは思ってもいなかったのか、咲夜はすごく驚いているようだった。
「お嬢様……見てらしたのですか?」
「ええ、運命をね。で?あなたの能力は?」
「『危機を回避する程度の能力』です。ですが、任意的に発動はできません」
「なるほどね……それで咲夜のあの攻撃を避けれたのね」
「はい」
興味深そうに俊司の話を聞くレミリア。それとは対照に、自分の失態を聞かれて恥ずかしかったのか、咲夜は軽く目線をそらしていた。
「それなら納得がいくわ。ありがと」
「いえいえ。それじゃあこれ運びますね」
と言って俊司が台車に手をかけようとした瞬間、
「いいわ、それは咲夜に任せるから。あなた達三人には別の仕事を用意してるわ」
レミリアは俊司を引き留めながらそう言った。
「仕事?」
「ええ。まずは大図書館にいってパチェに会ってきなさい」
「わかりました……行こう、妖夢・鈴仙」
「はい」
三人はそのまま大図書館へと向かった。
「咲夜はこれを運び終えてから行きなさい。私も用をすませたら向かうわ」
「わかりましたお嬢様。あれから進展は……」
「なにもないわ。パチェも苦労してるみたい」
「そうですか……」
「気を落とすほどでもないわ。今は自分のやるべきことに集中しなさい」
レミリアはそう言いながら、自室へと向かった。
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