第三幕その五
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な予感は何も生まない」
「けれど」
「今から私達は永遠の絆を結ぶ。それなのにどうして暗くなる必要があるのか」
マンリーコは優しい声で彼女にそう語りかけた。その目の光も優しいものとなっていた。
「貴女が私のものとなり、私が貴女のものとなる。崇高な愛、神の愛が貴女の心に語り掛けるのが聞こえないだろうか」
「神の愛が」
「そうだ」
マンリーコは言った。
「私にはそれが聞こえてくる。そしてそれが私に強い力を与えてくれているのだ」
「私にそれを分け与えて下さいますか?」
「勿論だ」
マンリーコは強い声でそう言った。
「貴女は私のものなのだから。当然のことだ」
「マンリーコ様」
「若し神が私の命を望まれるとしよう。しかし私はそれだけは受け入れない。例え心臓を死神の鎌で貫かれようとも私は貴女の許に行く。そして愛の力で甦るだろう」
「それ程までに私を」
「ああ」
マンリーコは頷いた。ここで礼拝堂の方からオルガンの演奏が聴こえてきた。
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