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ソードアート・オンラインーツインズー
SAO編−白百合の刃−
SAO33-雪は解けて雫となる
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った。
 バカみたいな話よね……自分が生み出し、思い込んだ恐怖にずっと怯えていたのだから……。
 本当にどうしようもない…………苦しむことなく、消え逝きたい……。
 結弦さんに告げると私は今まで溜めた分を全て晒しだすように人の前で泣き出した。どうしようもないくらいに、ただ涙を流すことしかしなかった。
 そんな私を結弦さんは、もう一度頭を撫でて優しい声で言ってくれた。

『行くところがないなら、わたしのところへ来ない? そこは、無理に頑張る必要はないから』

 その時の声。
 その時の手。
 その時の温もり。
 その時の優しさ。
 私は覚えている。
 結弦さんの一言がなければ、少なくとも、ずっと恐怖に呑み込まれていただろう。
 まだ恐い、結弦さんも怖い。でも、少しだけ楽になれたと思う。その言葉で私は救われた。頭を撫でてくれたことが、どれだけ嬉しかっただろうか。
 私は自分勝手に結弦さんにしがみついて、涙が枯れるまで泣き続けた。そんな私を結弦さんは優しく包み込むように抱きしめて、付き添ってくれた。
 
 少し楽になった私は改めて施設から出て、結弦さんの家で暮らすことになった。結弦さんは仕事が忙しくて家にいる時はほとんど一人だったけど、それでも、施設にいた時よりも心地よくて何よりも結弦さんは少ない時間の中で私と積極的に声をかけ、話し、手を触れ合ったことがすごく嬉しかった。でも、嫌なことがあるとすぐ泣いてしまう泣き虫だけど、少なくとも前よりかは泣かなくなったし、家で泣くこともかなり少なくなってきた。
 結弦さんのおかげで私は今ここにいる。私は恩返しをするために、泣かないことを努力し、臆病な自分を見返すように、動じない自分を作り上げ、それを根に染み込ませるような性格を変え、特に勉学を励むことをした。
 いい大学に入って、いいところへ就職して、結弦さんに恩返しする。今の自分では無理だから、時間をかけて必ず恩返しをする――はずだった。
 ある日、結弦さんが私にお願いことをされた。

『それなんですか?』
『あ、これ? ナーヴギアって言って、VRMMORPGのコントローラーみたいなものよ』
『それが、どうしたのですか?』
『協力して』
『え?』
『実は今度、ソードアート・オンラインが発売されるんだけど、全世界初フルダイブシステムが搭載されるんだよね。それでさ……雪音自身でバグがないか確かめてほしいの。大丈夫安全にできているから』
『それ、私じゃないといけないのですか?』
『本当は誰でもいいけど、わたしは雪音がいいの』
『は、はぁ……』
『ごめん、一時間から二時間の間まで、わたしに付き合って!』
 
 突然、結弦さんは私にSAOの試作に協力を頼まれた。ゲームに関しては触れていなかったので断ろうと思ったけど、恩が
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