第4話『魚人海賊襲来』
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んと、この村の人たちが大好きだ。ありがたいけど、少し申し訳ない。
ギザ鼻はそれに気をとられたのか、突きつけられた銃が胸から離れた。
ベルメールさんまで立ち上がろうとしてるし。結構重傷っぽいからそりゃ駄目だ。もう動いたら駄目だよ。
最後だから、恥ずかしいけど呼んでみよう思う。
「……ベルメール母さん!」
「っ」
ベルメールさんが涙をこぼしながら背をふるわせた。
お辞儀を一つ。
「お世話になりました。大好きだった」
ギザ鼻がまた胸に銃を突きつけてきた。
「ノジコ、結局子供のころの喧嘩……俺の負けでおわったな。最初はアレだったけど気付いたら本当に兄妹でさ、すごく嬉しくて楽しかった」
「バカ……もう終わりみたいな言い方しないでよ!」
何だ、俺のために泣いてくれるのか?
「ナミ……その、なんだ……俺――」
ナミがまだ理解できてない目で俺を見つめてくる。
そんなナミもまた可愛いと思ってしまう。
きっとこいつは将来魔性の女になる気がする。
ナミには色々といわないといけないことがある。
俺はまだガキだけど、ガキなりに思っていたことを言おう。
「――お前のこと好きだったし、きっとこれからもずっと好きだ。兄妹なのに、ごめんな? そんで……一緒に世界をまわれそうにない。それが一番、ごめん」
瞬間、何かの衝撃とともに暗転した。
「このごみ、海に捨てとけ」
そんな声が聞えて気がした。
事件の日からまた少し時間がたった。
水平線の彼方を一望できるような切り立った崖。
寄せては返す波の音が耳に心地よく響く。
そこに、十字架を模してつくられた丸太が立てられていた。丸太の足元には花束が添えられており、誰かの墓だと想像することは難しいことではない。
それを、ジット見つめる一人の少女がいた。オレンジ色の髪のその少女の左肩にはアーロン一味の刺青がある。その肩を抱えるようにして、少女はただ座り込んでいる。
その少女に声をかける二人の人間がいた。
「ナミ」
一人は少女の義姉、そしてもう一人は義母。
「ノジコ……ベルメールさん」
少女達の村はいまや完全に魚人の海賊団に支配されてしまっていた。
既に海軍の船が5隻、いとも容易く沈められてしまったのだ。
そこで、ナミはもう悟っていた。
もう、この島に政府の助けは来ない。来ても沈められるだけ。
だから、ナミは言う。
「自分たちで何とかしなきゃ」
「なんとかって?」
首を傾げるベルメールとノジコに、ナミは笑う。
「一億ベリーでココヤシ村を買うの……そのかわりに一味に入って海図を描けって」
「い、一億!?」
「そんな大金を一人
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