暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
第4話『魚人海賊襲来』
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いの女の子二人でどうやって生きていくというんだろう。なによりベルメールさんと離れるなんて、そんなことあっていいわけがない。

 でも、そうしないとベルメールさんが殺されてしまう。
 それはいやだ、だめだ。
 わかるけど、わからない。
 いや、少し違う。
 わかりたくないんだ。

「よぉし、確かに15万ベリー受け取った」
 
 ――俺には何も出来ない。

「よかった……助けてもらえるのね」

 言葉を漏らすベルメールさん。俺をそっと地面に横たえて、立ち上がる。嫌な予感がする、駄目だ。ソレから先は言っちゃいけない。

 ――確かに俺たちに血のつながりはない。だけど、それ以上の絆があったと、俺は思ってる。

 だから、わかる。
 だから、思う。
 どうしてこうなったんだ。

「子供3人で15万ベリー」

 ベルメールさんの言葉に、背を向けて歩いていたギザ鼻の動きが止まった。


 ――少し貧乏だけど幸せな家族……そう思っていたのに。ずっとそうやって生きていけるって思ってたのに。


「それは私の娘と息子の分……私の分は足りないわ」

 やっぱり、そう言うと思ってた。
 それがベルメールさんだから。


 ――どうしてこうなったんだろう。


「ベルメール、お前!」

 ゲンさんの声がどこか遠い。

「ゲンさん、ごめんなさい……私、家族がいないなんていえないや」

 涙がこぼれた。
 涙が止まらない。
 なんだ、これ。
 なんなんだ、これ。  
 お母さんが死んで、また母さんも死ぬのかよ。
 そんなことがあっていいのか。


 ――俺には何も出来ない。


 ベルメールさんが泣きながら、笑いながら。

「口先だけでも親になりたい……あいつら、私の子でしょ?」

 言ってくれた。

「ベルメールさん!」

 ナミとノジコが草陰から飛び出して、ベルメールさんに抱きついた。
 でも、俺は行かなかった。
 体が痛くて動けないとかじゃない。
 行きたくなかったからだ、認めたくなかったからだ。

 ベルメールさんがナミとノジコの頭を撫でながら、俺にも視線を送ってくれる。
 納得がいかない。
 ベルメールさんが死んだら、ナミとノジコはどうするんだ。
 二人ともベルメールさんのことが好きで好きでたまらないはずなのに。
 今死ぬなんて、そんなの勝手だ。
 そんなことがあっていいわけがない。

「もっといろいろ……本でも洋服でもいっぱい買ってあげたかった。食事だってハントに気を使わせてばっかりで……ごめんね、母親らしいこと、何もしてあげられなかった」

 ふざけんな。
 ふざけんなよ!

「そんなことないよ! 何もいらないから
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ