第4話『魚人海賊襲来』
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力に背中から倒れてしまう。
いたくなんか……ない。
ベルメールさんから足をどけろ。
ただそれを思う。
「その足をどけろ!」
背筋と腹筋だけで起き上がる。痛みはなぜか感じない。
腰にさしていた木刀でギザ鼻の男に振りかぶる。
「チュ!」
「っあ!」
腹にまた一撃もらった。
「もうやめて、ハント!」
暖かくて柔らかい感覚が俺を包む。この煙草のにおいは「あ……よかった、ベルメールさん、生きてる」
「ばかね、あんたまで血だらけになってどうすんのよ」
「はは、親子だからね」
「あほ」
こつんと、優しいゲンコツだ。
俺を抱いたままベルメールさんが顔をあげる。
「……ゲンさん」
ベルメールさんの震えた声。
ゲンさんがこっちに駆け寄ってゲンさんも俺を抱いてくれる。
ギザ鼻が言う。
「女海兵……大人一匹10万ベリー、子供一匹5万ベリー。家族分払えばお前らは無事だ」
……家族分、大人一人と子供3人で計25万ベリー?
そういえばベルメールさんも少しはへそくりがあるっていってたけど、いくらあるんだろうか。
ナミやノジコの姿が見えない。
ベルメールさんがこんなにに血だらけで、こいつらは一体、何で、誰だ。
いや、予想はつく。
人間とは思えない肌、体。服の隙間から見えるエラ。
要するにアレだ、魚人だ。しかも俺達の村を襲っていることから多分海賊かなにか。
俺が狩りをしてる間に来たのか……この魚人の海賊たちは。
ギザ鼻に聞えないように、ゲンさんが小声で囁いてきた。
「今、全財産いくらある」
「足りないわ……へそくり足して15万と少し」
全然足りない。
どうするんだろう。
どうすればいいんだろう。
「おい、アーロンさん。4人分の食事が用意してあるぜ。4人暮らしのようだ」
そういったのは蛸の魚人だ。
俺はこのまま動かないほうがいいんだろうか。
いや、まぁ傷がいたくてあんまり動けそうにないんだけど。
蛸の言葉に、ゲンさんが立ち上がって、なんでもないように言う。
「さぁ、ベルメール……さっさと大人一人分と子供一人分払ってしまいなさい。今日は夕食に招待されてたんだったな……折角の料理が冷めてしまう」
その言葉に耳を疑った。
思わず抗議を挙げようとした矢先「あの二人にはこの島から出て行ってもらう、そうする他、お前たち親子が助かる術はない」
ゲンさんにそっと言われた。
一瞬、意味がわからなかった。
二人は、ノジコとナミの分が足りない。
いや、うん。わかる。
お金がないことはわかる。
だけど、ナミとノジコはどうするんだ?
島を出るって……まだ10歳くら
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