第3話『壊れる日々』
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ってくるよ!」
「……だからアンタは黙りなさいって言って――」
「――そんですごく豪華でおいしい夕食食べよう!」
「……うん、そうね。こういう時こそ、ね。おいしい夕食作って待ってるからノジコはナミのこと連れ戻してきてくれる?」
「うん!」
「ハントもお願いね?」
「うん、日が暮れる前に帰ってくるよ!」
大丈夫だ。
うちは大丈夫。
ベルメールさんはすごく暖かい。その子供の俺たちだってきっと暖かい。
だから、喧嘩したってすぐに仲直りできる。
本当にベルメールさんの子供でよかった。
「よっしゃぁ! 大物を狩るぞ!」
……夕食に間に合うかなぁ?
「シャッーーーハッハッハッハッハ!」
一人の男の高らかな笑い声が村に響く。
それは決して村人にはありえない笑い声。人間ではない姿。
船に鮫のマークを掲げて。
それはそう。
「海賊だー!」
「アーロン一味だ!」
「アーロン!?」
「そんなバカな!」
事態に気付いたゲンゾウが慌て声を張り上げる。
「ナミ、ノジコ! ここは危険だ、裏の林へ!」
「で、でも家にベルメールさんが」
「そ、それにハントも森に出かけちゃって」
「いいから、お前たちだけでもまずは避難しておくんだ! 一刻の猶予もない!」
村に降り立った海賊は声高々に宣言する。
「シャーーハッハッハッハッハッハ! ゴキゲン麗しゅうくだらねぇ人間どもよ! 今この瞬間からこの村、この島をおれ達の支配下とする!」
また、幸せが崩れようとしていた。
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