第3話『壊れる日々』
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怒られたばっかりだから黙っておく。
女の子っていうのは色々と大変のようだ。
「さーて、みかん畑でひと仕事」
立ち上がったベルメールさんに俺も立つ。
「俺も行くよ、今日はもう今から狩りに行っても成果ないだろうし」
「お、そりゃ助かるわ。男の子」
「へへん!」
二人で家を出ようとしたところででまだ言い争っている声が聞えた。
「でも本当の姉妹じゃないじゃない! 私達血が繋がってないもん!」
その言葉に、ベルメールさんが反応した。
「ナミ!」
ベルメールさんがナミの頬をたたいた。多分結構力が入ってたんだろう。ナミがその衝撃でしりもちをつく。
「べ、ベルメールさん」
「……」
戸惑いを見せるノジコと俺。というか俺にいたっては驚きで声が出ない。
「血がつながってないからなに!? そんなのどうだっていいじゃない! そんなばかなことを二度と口にしないで!」
「……なによ! 私たちなんて本当はいないほうがいいんでしょ!? そしたら好きな服だって買えるし! もっと色んなもの食べられるし! もっと自由になれるもんね! 私……どうせ拾われるならもっとお金持ちの家がよかった!」
「……!」
ベルメールさんの表情が歪んだ きっと一番言われたくないことだからだ。これは止めないといけない。そう思うけど何を言ったらいいかわからない。それでも黙っているわけにはいかないから勇気を出して口をだす。
「ふ、二人とも落ち着――」
「――そう。いいわよ! 勝手にしなさい! もうあんたなんか知らない! そんなに家がいやならどこへでも出て行くといいわ!」
「やめてよ! 二人とも!」
今度はノジコが叫ぶように言うけど、もう遅かった。
「出てくわよ!」
ナミが言葉のままに走って出て行ってしまった。
「あっ、ナミ!」
「……ナミ」
「ベルメールさん本当はナミあんなこと思ってないよ、つい口をついて」
ノジコがベルメールさんにナミのフォローをする。
さすがノジコだ。俺もベルメールさんになにか言わないと。
「そ、そうそう! ほら、あのヒマワリをライオンじゃなくて猫にしたらよかったんだよ! だってナミは女の子なんだし、男ならライオンのほうが嬉しいだろうけど――」
「だからアンタは黙ってなさい!」
「ご、ごめん」
ノジコに殴られた。
……なんだか悪いことを言ってしまったようだ。
「ノジコはしっかりモノだね……ハントは実はけっこうおっちょこちょいだったんだね」
「ぇ」
俺ってそうなんだろうか。
「わかってる、私がおとなげなかった」
俺とノジコの頭に手を置いて、ベルメールさんがそっと笑う。
「俺今から森に行ってすごいの狩
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