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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
八話 合宿へ──変えたい“今”──
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ように聞かれてしまったので、不意を突かれた形になったからだ。
そしてそんなクラナの沈黙に、なのは、フェイト、ヴィヴィオは失敗を感じて少し表情を曇らせる。しかし……

「……分かりました」
この一言で、空気が固まった。

「……え?」
「……行きます」
思わず聞き返したなのはに、クラナは今度こそはっきりと答えた。沈黙した世界の中で、初めに反応したのは若さゆえか、ヴィヴィオだった。

「ほ、ホント!?ホントに!?」
「っ!?」
身を乗り出すようにクラナの腕を掴んで聞いたヴィヴィオに、クラナは珍しく驚きを顔に出して目をぎょっと見開く。キラキラした目で自分を見つめるヴィヴィオに、焦ったように返した。

「ちょっ……乗り、出すな……っ!腕、離せ……!」
「え、あ、ご、ごめんなさい!」
飛びのくようにクラナの腕を離したヴィヴィオ。その様子を見ていた大人達が、遅れて、慌てたように……やっぱり身を乗り出した。

「え!?クラナ、今、行くって言ってくれたよね!?」
「クラナ!」
「っ!?は、はい……」
今度は正面からの驚いたような声に再びクラナが驚き、慌てて首をコクコクと振る。その様子を一瞬だけ眺めて……、なのははフェイトと、ヴィヴィオを交互に見て、他の二人もまた、自分以外の二人を見まわして、三人の眼が合い……叫んだ。

「「「やっ、たぁぁ!!!」」」
「…………」
跳ね上がって、弾けるような笑顔で喜ぶ三人の姿を茫然と眺めていたクラナは……唯一人、人知れず、小さく、本当に小さく微笑んだのだった。

────

なんとも、息子一人を合宿に誘うだけで大騒動な事だが、まぁかくして、クラナ・ディリフス・タカマチは、無人世界カルナージにおける、元起動六課メンバー一部+チビッ子その他メンバーによる春の大自然ツアー+オフトレーニングに、参加することとなった訳である。

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