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初戦闘
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い方は無茶苦茶だね」

「そ、そうかな」

 キリトは頭を掻きながら言う。

「普通はもっと、回避してヒットアンドアウェイを繰り返して倒すのが定石なのに君の場合ヒットアンドヒットだよ」

「その分早く片付いたからいいじゃないか」

「今みたいな一種構成のモンスターならそれでいいけどね。近接と遠距離の混成とか、プレイヤーのパーティーの戦闘になった時は、どうしても魔法で狙い撃ちにされるから気をつけないと駄目だよ」

「魔法って避けられないのか?」

「確か、魔法にも色々な種類があって威力重視の直線型と範囲攻撃を狙う追跡型があって直線は軌道さえ読めれば避けれるけど範囲系のホーミングは無理だな」

「うん。大体合ってるけどホーミング型はある程度離れてタイミングをはかれば避けれる可能性もあるわ」

 キリトは難しいことを言われたような顔をして悩んでいた。

「まあ、キリト君やゲツガ君はなかなか目がいいからすぐ勘がつかめれると思うよ。現実で何かスポーツやってるの?」

「いや、俺はしてないけどこいつがしてる」

 そう言って親指でゲツガを指す。

「まあ、ちょっとな」

 頭を掻きながら答える。

「ふうん、そっか。じゃあ、先に進みましょう」

 その言葉に頷いて再び移動を開始し始めた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 その後は一匹もモンスターと出会うこともなく、古森を抜けて山岳地帯に入ることが出来た。ちょうど飛翔力が限界にでも達したのか翅の生えた辺りに疲労感を覚える。リーファを先頭に地上に着陸する。

「ふふ、二人とも疲れた?」

「いいや、まだまだだよな、ゲツガ」

「ああ、まだぜんぜん大丈夫だ」

「お、二人とも頑張るわね。……でも空のたびはしばらくの間はお預けよ」

 リーファがそういったので、キリトとゲツガは眉を上げる。

「ありゃ、何で?」

「あの山が見えるでしょ」

 そう言ってリーファが指差したほうを見る。指の先には真っ白な雪に覆われた山脈があった。

「あれが飛行限界高度よりも高いせいで山越えをするには洞窟を抜けないといけないの。シルフ領からアルンへ向かう一番の難所、らしいわ。あたしもここからは初めてなのよ」

「なるほどね……。洞窟か、長いの?」

「かなりね。途中に中立域の高山都市があって、そこで休めるらしいけど……。キリト君、ゲツガ君二人とも時間はまだ大丈夫?」

 キリトが左手を振ってウィンドウを出して時間を確認した。

「リアルだと夜7時か。俺は当分平気だぞ。多分ゲツガも」

「まあ、大丈夫だな」

「そう、じゃもうちょっと頑張ろう。ここで一回ローテアウトしよっか」

「「ろ、ローテアウト?」」
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