第2話『夢を描いて』
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ろうか?
一瞬そんな考えが脳裏をよぎるが、ハントに身の覚えはない。
今日も今日とて狩りに行って帰ってきただけだ。
だったら堂々としていればいい、とは思うものの、なにか違う。
なにが、といわれてもわからないような感じだが、違う。
ベルメールが茶を出しながら、ノジコの隣、要するにハントの対面に腰掛けた。
「それで、どうするの?」
「……なにが?」
「ナミのこと……今日言われたんでしょ?」
「んなっ」
吹き出しそうになったお茶をどうにか呑み込み、それがまた熱くて転げまわりそうになる。
「ど、どうして?」
どうしてそれを知っているのか?
その問いにベルメールは苦笑する。
「だって、最近ナミから相談されてたから」
「うん」
「……そっか」
それならば知っていて当然だ。
「それで、どうするの?」
ノジコの再度の問い。
「さっき寝る前のナミに聞いたら答えは明日まで待ってくれって言われたって言ってた。でも、どうせあんたのことだから答えは出てるんでしょ?」
「私たちには先に教えてくれてもいいんじゃない?」
どうしてそんなことを聞くんだと、尋ねそうになった自分の口を閉じて、ハントは自然と浮かべそうになる笑みを抑えた。
――親バカというか、姉妹バカというか。
結局はノジコも、ベルメールもハントと同じ。
家族の中で誰よりも夢を追うナミのことが好きで、心配で、応援している。
「俺も、二人と一緒だよ……同じように考えてる」
「!?」
ハントの答えに、二人がハントの顔をジッと見つめる。
「それじゃあ」
「うん、一緒に行こうと思ってる。もちろんノジコやベルメールさんが許してくれたらって思ってたけど……二人とも寧ろ行けって思ってるんだろ?」
ハントがジッとベルメールの顔を見つめる。
ベルメールは目を閉じて、だがどこか嬉しそうにして、静かに佇んでいる。
「あいつは頭いいし、ずる賢いけど……根っこが不器用だからさ、きっと誰かが見ていてやらないと駄目なんだって思うんだ。それが俺でいいのなら、俺がやる」
ノジコが小さく頷いて、ベルメールも頷く。
「ナミと、しっかりやんなさい?」
「ああ」
「ちゃんとお土産ももってくんのよ!」
「もちろん」
「ってことはもっと強くならないとね? メニュー強化か……さすがに血が熱くなってきそうね」
「お、お手柔らかにお願いします」
指の骨をパキパキと鳴らすベルメールに、ハントが頬を引き攣らせる。
「……で、それはそうとさ」
ベルメールがノジコと顔を合わせた。
二人の顔が一気に変化する。
さっきまで微笑ましいものを見るような表情だったのに、今度はイタズ
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