第1話『狩人』
[8/8]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
とう、ハント」
彼女もまた涙を流しながら。
「あんたは……あんたたちは私の子だ、間違いなく。心配してくれて、ありがとう」
「……いいの?」
「あぁ、体の鍛え方だって教えてあげる」
「ほんとに?」
「私のおなかを一杯にしてくれるんだろ?」
「うん……うん!」
何度も嬉しそうに頷くハントに、ベルメールは笑う。
「さて、二人で泣いたらおなか減ったね! 寝てる二人を起こしてきて! 夕食の時間にしよう!」
「うん、行ってくる!」
「うれしいことを言ってくれるよ、ほんと」
また泣きそうになる自分を抑えて、ベルメールは皿に食事を盛っていく。
「おなか減ったー」
「ウサギ2羽並ぶだけでこんなに豪勢になるんだ」
ナミとノジコが待ちきれないといった様子で椅子に座る。
「よし、じゃあみんな、手を合わせて!」
ベルメールの視線がナミ、ノジコ、ハントに配られる。
彼らはタイミングを見計らって一斉に言う。
「いただきます!」
その日、ベルメール家の食卓はいつもよりもずっと賑わっていた。
「ほーれ、今日はお酒解禁じゃー」
「え、いいの!?」
「いつもベルメールさん駄目っていうのに?」
「いやいや、駄目だってそれは!」
ベルメールの勧めに、順にナミ、ノジコ、ハント、が反応する。
「あーん、私の酒が飲めないって言うの!?」
楽しそうな笑い声がいつもよりもずっと大きく、そしてずっと弾んでいた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ