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SAO−銀ノ月−
第三十九話
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「あたし、あんたやアスナのことが……その、心配でフレンドリストを見ていたんだけど」

 『心配』と言うところを口ごもるのはリズらしいが、今は空気を読んでツッコまないでおくとしよう。

「その時……あんたの、あんたの表示がグレーにっ……!」

 ……リズが言っているのは、討伐戦の最中の俺がPoHの攻撃を受けてHPを0にされて死の淵へと行き、《還魂の聖晶石》でこのアインクラッドに戻るまでの7秒程度のことだろう。

「すまない……ちょっとHPが0になってな」

「……はぁ!?」

 図らずもリズを心配させてしまったことに謝罪すると、リズはかなり素っ頓狂な声を上げて返してくれた。

「《還魂の聖晶石》っていう名前のアイテムなんだが、10秒以内だったらHPが0になっても蘇生出来るアイテムなんだ……まさか、自分に使うとは思ってなかったが」

「あ、あんたは……相変わらず変わった奴ね……」

 一瞬だけ安心した顔をした後、その顔を隠すように呆れかえった顔をしながら失礼なことを言ってくるリズに、少々ムッとした俺は無意識に反論の言葉を口にしていた。

「キリトやアスナ程じゃない。良くもまあ、あんなに毎日ダンジョンに入れるもんだ」

「あんたも負けてないわよ……そういえばショウキ。何であんたってそう、毎日ダンジョンに行ってないのに強いの?」

 いつものような軽口の途中、本当にふと思いついたようにリズは俺に聞いてくる……余計な心配をかけないように、俺のことはリズに何も言ってはいない。
別に隠したいわけじゃないけれど、言っても心配をかけるだけなのだから。

「ううん、ショウキ。あたしは……あんたのことがもっと知りたい」

 マナー違反だってことは解ってるけど、とリズその言葉の後に続ける。
……確かに、この脱出不能のデスゲームとなったアインクラッドでは、現実世界や他のプレイヤーのスキル、そして他人の過去などを詮索するのはマナー違反だというのが通説となっている。

 だが、いつも武器の手入れをして俺の傭兵稼業を支えてくれるばかりか、良き友人としても付き合ってくれて、俺が思っていた『強さ』の一部分を教えてくれた……そんな彼女に、俺のことを話すぐらいで少しでも恩返しが出来るのならば、話すべきなのではないか。

 始めて会った時の、一緒に日本刀《銀ノ月》の強化素材を取りに行った時にも聞かれたものだったが、自分にはまだギルド《COLORS》のことは話せず、リズはそんな俺を見て遠慮してくれた。

 だったら、リズに話すことで、俺はギルド《COLORS》のことを認めて乗り越えられるのではないだろうか。

 PoHとの戦いで自分の『弱さ』を認めて《恐怖の予測線》が発現したように、俺はギルド《COLORS》の死を真に認
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