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IS インフィニット・ストラトス〜転生者の想いは復讐とともに…………〜
number-29 conclusion and confron each other
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…………。
思った衝撃が来ない。
球体のほうに顔を向けると、鈴が《双天牙月》を交差させて抑えていた。
「おっ、おい!! 鈴っ!!」
「うっさいっ!! さっさとしなさい!!」
よく見ると鈴のISはいたるところに亀裂が奔り、今にも粉々に砕け散りそうだ。
それなのに一夏を庇うために身を挺して守っている。
どうしてそこまでするのか、一夏には分からなかった。
◯
麗矢は愁いていた。
鈴の行動はただ無駄死にしに行っただけだった。悲しくなってくる。
――――そういえば、戦争の時にあんな奴いたっけか……
麗矢が考える戦争とは何を指しているのだろうか。
今はまだ分からない。
いずれ知る機会が出来るはず、その時に麗矢は全てを語るのだろう。
麗矢は思う。
戦時中にあんな奴ばかりでは全滅していた。
だが、あんな奴が一人でもいれば、日本は変われていたのかもしれない。
そう思うがもはや後の祭り。
過去なんか取り戻せるはずもないのだ。
過去を数瞬の間に思い出していると、心の中で燻っていた想いが強くなってきた。
全てを蹂躙するあの時の想いが。
全てを壊してやろうという破壊衝動が。
いや、いい。
とりあえず終わらせよう。
麗矢は束が載せてくれた遠距離武装《ドゥームブリンガー》を展開した。
銃身が長く、口径も大きいこのライフル。放つのは――――炸裂弾。
「……エンド」
《ドゥームブリンガー》から放たれた炸裂弾は音速に届こうかという勢いで球体に向かっていき、当たる。
その瞬間、目もくらむような閃光を放って遅れて爆発。
学園全体を揺らすほどの衝撃を起こした。
爆発はアリーナ全体に届き、麗矢まで巻き込んだ。
時間的にはそんなに長くもなかったが、感覚的には長かったように感じた。
全てが晴れ、アリーナに再び光が差し込む。
アリーナには、あれだけ巨大なエネルギーが渦巻いていたのに装甲に煤をつけただけの麗矢と、絶対防御が発動させて操縦者を守るも、ISが解除されて横たわる一夏と鈴。
だが麗矢はこれだけでは終わらせようとしなかった。
意識を失った二人との距離を今の半分に詰め、超電磁砲を展開。リチャージが既に完了している砲身を一夏に向けた。
開放通信に響いてくる真耶の制止の声を振り切り、8つの銃口から紫電を迸らせ、弾丸を放つ。
直撃。
だが、一夏は消し飛んでいない。
その前に割り込んできた人物が水のヴェールで超電磁砲を止めた。
「もうやめてよ……麗矢」
更識楯無が。
夜神鳥麗矢が。
対峙。
力と想いを込めて、今ぶつかる――――
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