暁 〜小説投稿サイト〜
シャンヴリルの黒猫
Chapter.1 邂逅
9話「帰り道」
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から、本格的に混み始めるのは夜、もう少し後だろう。今もそこそこ広いギルドの中には3人組と4人組の7人しかいない。

 そして何より怪しいのが、扉の外、ユーゼリアと思われる魔力の気配が慌てたように戸口付近から裏手に移動していったことだ。

 それを5人が一斉に追いかけるのが怪しさに拍車を駆ける。

 彼女を狙っているのか。人攫いか? その程度ならユーゼリアは1人で撃退できそうだが。余程の手練れかあるいは――“殺し”を生業とする者達か。
 召喚魔道士である彼女は、基本遠距離攻撃型。接近戦に持ち込まれたら、しかもその相手が接近戦のプロならば、彼女に太刀打ちできるはずもない。今日見た限り、そんなに筋肉も無かったし、体力も見た目相応だ。

 ユーゼリアの事だから、他人に迷惑がかかるとかいう理由で裏手に行ったのだろうが、人に見られないことはつまり、誰からも助けが入らないことだろうに。

 まさか目の前で襲われる知り合いを放置するほど非情ではないので勿論助けに行く。


 外に出て数瞬。



 戸口には僅かな砂ぼこりと落ちた溜息が残った。
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