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【完結】剣製の魔法少女戦記
第二章 A's編
第三十九話    『スーパー銭湯(前編)』
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駆け込んできて、

「ごめんなさい! お風呂の温度設定間違えてて、冷たい水が湯船一杯にぃー…」

なんやそない事か。誰でもたまにはある事やん。

「沸かし直しか」
「そやけどこのお風呂の追い炊き時間かかるからな」
「シャマル、しっかりしてくれ」
「ごめんなさい」
「シグナムさ、レヴァンティン燃やして水に突っ込めばすぐ沸くんじゃ」
「断る」
「即答かよ」
「私が炎系統の魔剣でも投影するか?」
「お前は自身を大切にしろ」
「すまん…」

普通はシグナムの反応は当然や。それとアーチャーは私も思うけど魔力を供給できる人がいないんやから無理しいな。

「闇の書のマスターらしく私が魔法でなんとかできたらええねんやけど…」
「いえ、そんな! ここはやはり私がなんとか」
「炎熱系なら私だが微妙な調整は難しいな」
「火事とか起こしたらシャレになんねーぞ」
「って、よう考えたら、こんなしょうもない事に魔力使ったらあかんやん」

それでみんな考えこんでまう。

「そや! シャマル、ポストに入ってたチラシの束、まだ取っといてあるか?」
「はい。今週の分だけですけど…」
「ちょっと持ってきて」
「は、はい」

なにをするのか分からないといった感じの表情やったけど確かチラシの中にあれがあったはずや。

「え〜と、あっ、これや」
「海鳴スパラクーア、新装オープン?」
「記念大サービス」
「なにこれ?」
「皆で入る大きなお風呂屋さんやね」
「皆でですか!?」

それでシャマルは顔を赤らめてしまったけど、

「あ、もちろん男女は別やで」

残念な事に混浴はないらしい。

「温泉に滝の打たせ湯、泡のお風呂に、バイブレーションボディマッサージバスに紅茶風呂。いろんなお風呂が十二種類もあるやて」
「それはまた、素晴らしいですが」
「なんか楽しそう」
「それに新装サービスで安い。三名様以上やとさらに割引やて。これは行っとけ!って事ちゃうか? 行ってみたい人!」
「「は〜い!」」

シャマルとヴィータが手を上げた。でも、

「我が家のお風呂好きさんがなんや反応が鈍いで」
「ああ、いえ…」
「んー…?」

それで思念通話で話しかけてみる。

《シグナムはまた身内の失態を主に補ってもらうのはよくないと思てるんか?》
《う、はい》
《何度目かの注意になるけど、シグナムはごっつ真面目さんでそれは皆のリーダーとしてええことやねんけど、あんままじめ過ぎるんはよくないよ》
《すみません》
《私がええ、言うたらええねん。皆の笑顔が私は一番うれしいんやから》
《はい。申し訳ございません》
《申し訳んでええから、私を主と思ってくれるなら私の言葉を信じてな》
《はい。信じてます。我が主》

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