第5章 契約
第55話 ハルケギニアの夏休み・昼
[7/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、間違いなしに……。
「これが竜の羽衣。タルブ村で見つけた財宝よ」
単座式のコックピットを護る風防のガラスに反射した真夏の陽光から、少し眩しげに視線を外したキュルケでしたが、その口調の中には、あきらかに自慢げな雰囲気を感じる事が出来ました。
そう。俺達と共に行ったアルビオンへの冒険旅行の後に、サイト。ギーシュ。シエスタ。それと、ギーシュくんの恋人の名前も知らない女の子と共に行った宝探しの結果、発見したお宝と言うのが、この目の前に存在する飛行機らしいのですが……。
尚、流石に前を肌蹴たままの姿で表を出歩くのは問題が有り、そうかと言って、あのまま、キュルケ一人でタバサの部屋に居残られるのもそれなりに問題が有ったので、宥めすかした上に、彼女に似合う服をプレゼントする、と言う条件でキュルケを伴ってのコルベール先生の研究室への移動と成ったのですが。その現在の彼女の出で立ちはと言うと……。
ほぼシースルーに等しいチューブトップに、ニップレスシール。スカートは黒のミニ。靴は素足にペディキュアを施した上に、かなり高いヒールを持つ白のミュールと言う……。貴女、どう考えても中世ヨーロッパの貴族じゃなかとでしょう。と言う、コチラも何処の出身か判らなくなる、怪しい方言で対処しなければならいような出で立ちと成って仕舞いました。
確かに、自らの武器を強調する衣装なのは認めますが、見て居るのが俺一人では張り合いがないと思いますよ。
まして、彼女の衣装を準備する為に、わざわざ、ハルファスを現界させる俺の身にもなって下さいよ。更に、彼女の着替えの最中は、冷房の効いた部屋から、真夏の太陽に焼かれた石釜の中に追い出されるし……。
「後期生産型の濃緑色の塗装。翼の両端の丸まったような形状。おそらく、零式艦上戦闘機五十二型に分類される機体だと思うけど」
心では悪態を吐きながらも、実際の言葉では、まったく違う内容の台詞を口にする俺。
もっとも、それ以上の見分け方は、流石の俺でも判らないのですが。消火装置の有無とか、二十ミリ機関砲の銃身の違いだとか、防弾板の差だとか。そんな部分を外側からぱっと見だけで判断が付けられる訳は有りませんから。
まして、少々の悪態を口にしたトコロで、キュルケにからかわれるネタが増えるだけで、事態が好転するとも思えませんし。
実際、才人とルイズが居ないので、暇を持て余して、俺をからかって遊んでいるだけでしょうからね、彼女は。
「但し、確実に俺が知って居る世界のレシプロ戦闘機とは言い切れない可能性も有るな。平行世界は無限に存在している。その中には、零戦によく似たレシプロ戦闘機が存在した世界も有るだろうからな」
そう一応は、答えて置く俺。
そして、寮塔から出て、アウストリ広場
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ