第5章 契約
第55話 ハルケギニアの夏休み・昼
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がら、そう言うキュルケ。
但し、キュルケがそんな隠し味的な物に気付くかどうかは判らないのですが。
尚、俺はマヨラーではないので、マヨネーズに関しては任意です。
更に、女の子が食べる事が前提ですから青のりは使用せず。本来ならば鰹節と共に使用すべきなのですが、流石に前歯や口に青のりが付いていたら、百年の恋も冷めて仕舞いますからね。
しかし、
「食事も取らない?」
少し、驚いたように聞き返す俺。
キュルケの言葉の中で、一番問題が有るのはその部分でしょう。他の部分は、タバサと被る部分も有るので問題はないのですが、食事を取らないと言う部分は……。
そして、その言葉に続けて、
「もしかすると、食事は取らないけど、お菓子は食べる、とか言うオチではないよな」
パンが無ければケーキを食べれば良い、と答えたとある大公婦人の言葉を思い出したルソー宜しく、そうキュルケに対して問い返す俺。
因みにあの名言、もしくは、迷言は、有名なフランス王妃の言葉では有りません。
一応、念の為に言って置きました。
「さぁ、よくは知らないけど、何も食べていないのは本当らしいわ」
自身は焼き立てで、中はふわりとした、ほのかにカツオ出汁の香りがするお好み焼きを頬張りながら、伝聞調の言葉を口にするキュルケ。
しかし、これは厄介事の気配が濃厚ですか。
「タバサ。お昼の食事が終わったら、一度、コルベール先生の研究室を訪ねて見るとしますか」
……そう考えて、無言でお好み焼きを頬張るタバサを少し見つめた後に問い掛ける俺。
そんな、俺の顔を真っ直ぐに見つめ返した後、タバサが微かに首肯く。
その時、蓋をしたホットプレートから盛んに発生していた水蒸気が、ゆっくりと治まって行ったのでした。
☆★☆★☆
ゆらゆらと立ち昇る陽炎と、これでもかっと言う雰囲気で照り付ける真夏の太陽。
寮塔から一歩出た瞬間に、真上からの直射日光と、長い間雨が降っていない事による大地からの強烈な照り返し。真夏に相応しい熱せられた大気の盛大な歓迎。その瞬間、そのままUターンをして、タバサの部屋に帰りたくなる気持ちを無理矢理叱咤激励する俺。
流石にここで回れ右をしたのでは、何をする為にここまで出て来たのか分からなくなりますから。
そう心の中でのみ考え、眩しさと、太陽光が放つ物理的なレベルにまでに高められた威圧感から思わず下げて仕舞った視線を、もう一度上げる。
その視線の先。女子寮から出た直ぐ傍に有るアウストリ広場。その真ん中に鎮座する、一部の日本人ならば良く知って居る単座式レシプロ戦闘機の濃緑色の機体が、容赦ない真夏の太陽に焼かれて居ました。
今ならば、あの機体の翼の上で目玉焼きが作れますね
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