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エヴァンゲリオン REAL 最後の女神
使徒大戦
第二章
2.04
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は一転して花がほころぶように、うれしげに微笑んだ。その笑顔に心臓がダンスを始める。いかんいかん……平常心、平常心。
 ベッドの端っこに寄って、アスカのスペースを空ける。アスカはシンジの枕をずらして自分のクッションを置いて、ベッドの中に滑り込んできた。
 シンジの鼻腔に、先ほどかいだばかりのアスカの髪の香りが、数十倍の濃度で襲ってきた。それだけで若いシンジの分身は、ご主人様の意志もなんのその、元気に自己主張を始める。
──静まれ、静まれ、静まってくれよぅ。
 体を固くしてぎゅっと目をつぶるシンジの横で、アスカもしばらくためらうようにまっすぐに寝ていた。だが、やはり満足できないようで、シンジに身を寄せてきた。
──うわっ、柔らかい! それに熱いくらいだ……。これは拷問だよう……。
 なんとも甘い拷問もあったもんだが、シンジにとっては抱きしめたい、今すぐむちゃくちゃにしたいという欲望を我慢しなければならないということが前提なので、そう感じてしまうわけだ。
 おずおずと、ためらいがちにアスカの腕がシンジの体にまわされ、パジャマの足がシンジの素足に重なる。
──うわーーーーっ! あ、アスカっ!
 シンジはますます緊張して身をこわばらせてしまう。それをアスカは拒絶されているように感じた。
「シンジ……」
「?」
「……抱きしめてくれないの?」
「い、いいの?」
 まぬけな質問だが、本人もアスカも気づいてないからセーフである。
「あたりまえじゃない。イヤだったらこんなことしないわ」
 シンジはこわごわとアスカの方に向き直り、アスカの体を抱き寄せる。密着するとよけいにアスカの体温が熱く感じられ、シンジは脳みそが焼き切られてしまうんじゃないかと心配になった。そしてその凶悪なほどの柔らかさ。自分よりもハードなトレーニングを続けているのに、どうしてアスカの体はこんなに柔らかいんだろう。
 もっともアスカの体はやはり引き締まっていて、ウエスト周りや下半身などは同年代の少女と比べても肉が薄い。けれどもシンジにとっては初めてふれる異性の体に、そんな比較などできようもないし、第一こればかりは減らない見事なアスカのバストがシンジの薄い胸を柔らかく押していたから。
 心臓がうるさいほど鳴っている。アスカに聞こえたらどうしよう。それに下半身がちょっと困った事態になったままだ。思わずシンジは腰を引く。
 それはアスカにとっては不満だったらしく、少しでも近くにと密着してくる。
「あ」
 アスカの小さい声が耳朶を打った。その声は雷鳴のようにシンジを打ちのめした。
 ばれてしまった。アスカはじつは男女関係には潔癖性に近い。少しでもそういう生臭いものを感じさせた相手には、容赦なく鉄拳を見舞っていたことからも分かる。こんなことで嫌われたくはない。
「シンジ……
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