暁 〜小説投稿サイト〜
エヴァンゲリオン REAL 最後の女神
使徒大戦
第二章
2.04
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あるシンジからそういう台詞が出るとは思っていないからこそ言えるものではある。
 だが、意外にも真っ赤になったシンジが素直に「う、うん、そうなんだ」なんて答えたもんだから、アスカのほうも茹であがったタコのように顔から蒸気を上げるハメになった。
「な、なに言ってんのよ! バカシンジのくせに生意気よ!」
「なんだよ、アスカから言い出したんじゃないか」
「う、うるさいわね! いいからお風呂行ってきなさいっ」
「さっきシャワー浴びたからいいよ」
「いいから行ってきなさいっ! 命令よ!」
 可愛い暴君に逆らうのがムダだと言うことは既に遺伝子にまで刷り込まれている(註:それが0.11パーセントの内訳だというわけではない)ので、シンジは慌ててバスルームに駆け込んだ。
「なんだってんだよ、もう……」
 ちょっとぼやきつつも、素直に服を脱ぎ浴槽につかる。リビングはリビングで、アスカが人の気も知らないで、とプリプリしていた。いちどは分かり合っても、ちょっとしたすれ違いでヤキモキするのは普通の恋人同士と変わらないようだ。
 シンジが出てきたときにはもうアスカは自室に引っ込んでいた。丹念に乾かさなければ長い髪はすぐ枝毛だらけになってしまう。いつものことなのでシンジは特に気にしない。
 フスマ越しにアスカにおやすみ、と言って自分も部屋に引き上げた。
 タオルドライだけで水分の残る頭のまま、シンジはベッドに身を投げた。考えてみるとこの天井を見上げるのもずいぶんと久しぶりである。エヴァの中では時間の観念が曖昧で、アスカと二人居心地がよすぎてついつい長居してしまったらしい。その間に取り返しのつかない局面まで進んでいたらと思うと笑えないところだ。
「……シンジ」
 明かりを消して目をつぶったところでアスカの声が聞こえた。ベッドから身を起こす。
「どうしたの?」
「入ってイイ?」
 今までならそんなの訊きもしないで乗り込んできたのに。
「もちろん、いいよ」
 シンジがフスマを開けて招き入れると、パジャマ姿のアスカは大きめのクッションを抱えていた。その姿が妙に年相応というか、幼く見えてシンジは微笑む。だが、そんなほのぼのとした気分は次のアスカの台詞で吹き飛んだ。
「……いっしょに寝ようと思って」
「ええっ!」
「だめ?」
「だ、だめじゃないけど……その、ボクだって男なわけで、アスカは綺麗だし、いいにおいがするし、そのボクも我慢できなくなっちゃうというか、男はみんなオオカミだし、男女七歳にしてってアスカも言ってたし……」
「だめ?」
 重ねて問う不安そうに見上げる視線に、シンジはイヤとは言えなくなる。目の前の少女が人のぬくもりというものに、どれほど飢えているのかを知っているのだから。
「……いいよ、いっしょに寝よう」
 シンジがそういうと、アスカ
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